現代社会は、テクノロジーと一体化して生活する時代になってきています。そんな時代にもかかわらず、障害や病気がある生徒たちは、学校の定期試験や高校や大学の入学試験などで、テクノロジーを使うことがなかなか認められにくい現状があります。
肢体不自由で鉛筆が持てなくても、パソコンがあれば、キーボードで入力することができます。視覚障害で見えなくても、音声読み上げソフトがあれば、耳から勉強できます。ところが、入学試験でIT機器を使いたいと申し入れても、日本ではなかなか認められていませんでした。なぜかというと、たとえばワープロの場合、他の受験生は使わないのに、ワープロに組み込まれている漢字変換機能を使うから、他の受験生と不公平になるというわけです。これでは、障害や病気をかかえている子どもたちは、能力があっても高校や大学進学をあきらめなくてはなりません。そして日本の大学に多様性は生まれていきません。
アメリカでは、知人のワシントン大学のジェリル・バーグステラー博士が障害のある学生を支援するプログラムDO-ITを始め、全米で注目されるようになっていました。そこで、このような日本の状況を変えて、学生の才能をIT利用によって引き出し、全面的にバックアップして大学などに送り出すDO-IT Japanの活動を2007年から始めました。