UDフォントは、Webではあまり使われていない状況です。ホームページやブログといったWebの画面の表示には、通常、パソコンにあらかじめ組み込まれているフォント、いわゆるシステムフォントが使われています。たとえば、WindowsではMSゴシック、MS明朝、Macではヒラギノゴシックなどです。
WebでUDフォントなどのシステムフォント以外のものを使用する方法として、文字を画像化して配置する方法があります。この方法は、以前から用いられているものの、検索できない、文字サイズを変更できない等の欠点があります。
また別の方法として、Web上にUDフォントを埋め込んだPDFファイルをリンクする方法があります。マニュアルなど、もともと紙媒体のためのデータをWebにも使用する場合にこの方法が用いられますが、PDFファイルを開くのに時間がかかったり、
また文字のレイアウトが固定されているのが欠点です。
検索性を持たせたり、画面の大きさ、文字の大きさに合わせてリフロー(表示領域に合わせた文字の再配置)させたりと、Web本来の特徴をいかすにはWebフォントを用いるのが最適です。
Webフォントというのは、Webサーバーにフォントを置き、Webを表示するたびにフォントの文字データをダウンロードして表示する方法です。
しかしWebフォントは、ネットワークの高い転送速度が必要とされたり、OSやブラウザのバージョンによって文字表示の品質にバラツキがあるなど、いくつかの課題を抱えており、いまだ十分に普及していません。
近い将来、さらに技術が進歩すれば、UDフォントのような優れたデザインの文字がWebで使用されると思います。
今のところ、UDフォントがよく使われるシーンとしては、スマートフォンやタブレット、家電、電子広告といった電子機器における使用です。Webと違ってフォントを機器に内蔵して使いますので転送速度の心配をする必要がありません。
なお、それぞれの機器では解像度や表示方法など、技術や条件も違いますので、より見やすくきれいに表示されるように、フォントメーカ側で文字の太さやデザインを変更するなどさらに工夫することもあります。