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ブレイルセンスU2日本語版の開発(2/5)

2 開発の経緯

 ブレイルセンスU2日本語版の開発を始めたきっかけは、2004年にアメリカで開かれたある展示会で、韓国メーカーが展示していた視覚障がい者向けの「ハンソネ(英語名 ブレイルセンス)」という機器を手にしたことでした。コンパクトで持ち運びやすいサイズでありながら、ワードプロセッサー、インターネット、電子メール、メッセンジャーの機能を備えていて、音声読み上げ機能も付いていました。視覚障がい者向けの機器としては、まさに当時の最先端を行くものでした。

 その後、ハンソネを製作している韓国のHIMS社に連絡して、日本語版の製作を提案し、ブレイルセンスシリーズを共同開発することになりました。

 2006年にブレイルセンスを初めて日本でリリースしました。その後さまざまな改良を行いながら、開発を続け、2007年にボイスセンス、2008年にブレイルセンスプラス、2010年にブレイルセンスオンハンド、2012年にブレイルセンスU2日本語版をリリースしました。ボイスセンスは、キーボードは点字入力方式ですが、点字表示機能はありません。出力は音声だけになります。

 日本語版は、石川研究室と有限会社エクストラが共同で研究開発し、エクストラから発売しています。エクストラは、自動点訳ソフトEXTRA for Windows、Windows用画面読み上げソフト(スクリーンリーダ)JAWS for Windows、ブレイルセンス、携帯型GPS歩行支援機器トレッカーブリーズなど、視覚障がい者の情報アクセシビリティーを推進するさまざまなソフトウェアやハードウェアの開発と販売を行っている会社です。

 われわれは、ユーザーがより快適に使えるようにブレイルセンスシリーズの改良を重ねてきました。2012年に発売した最新のブレイルセンスU2日本語版には、日本語版独自の便利なプログラムを多く搭載しました。ソフトウェアの安定性がかなり良くなりました。10倍くらいの働きができるようになったと思います。

 海外の会社と共同開発する場合は、言葉の壁が立ちはだかることがあります。韓国のHIMS社との交渉は英語です。英語はお互い母国語ではないので、コミュニケーションが難しいこともありますが、それを乗り越えながら開発しています。

 ブレイルセンスシリーズは、韓国語版のほか英語版などが作られています。

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