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視覚障がい者用移動支援アプリ「ドキュメントトーカ ボイスナビ」の開発(5/5)

5 利用者からの要望と改善点

 案内方法の要望はいろいろありました。前方、北方向、右手左手など、いろいろな案内方法を選べるようにしてほしいという要望がありましたので、前方、左右方向だけでなく、360度案内するなど要望を反映させました。現在では、相対方位:前後左右、絶対方位:東西南北、時計方位:12時から11時、ミックス:絶対方位+時計方位 といった案内方法が選べるようになっています。

 お店の名前はいらないけど、コンビニとか、パチンコやとか、駐車場とか、ビル名、観光案内などができるといいという要望もあります。また、ビル内のお店の名前を羅列されても道案内にならないという意見もあります。最近はARという技術(Augmented Realityの略。ありのままに知覚される情報に、デジタル合成などによって作られたバーチャル情報を重ねて表示し、便利な情報を提供する技術)もあり、カメラで撮ったものを音声案内してほしいといった要望もあり、今後の課題と考えています。

 また、「終了動作が難しい」という意見もあります。視覚障がい者はどこをタッチするかわかりませんので、地図画面をタッチしても地図が動かないようにとか、終了ボタンを触って終わってしまうことがないようにとか、いろいろ工夫されているのですが、そこがまた、難しい操作を強いているようです。たとえば、終了ボタンを押すと確認用の終了ダイアログが出るのですが、視覚障がい者がその位置を探し出す際にご不便をおかけしているようです。こういったユーザーインターフェースも改善する余地はあると考えています。

 また目的地の住所や施設名の設定方法をもう少しスムーズにできたらよいという要望がありました。ドキュメントトーカ ボイスナビは目的地設定の音声入力ができますが、AndroidにプレインストールされているTalkBackの音声が目的地の音声入力時に一緒に入ってしまって、音声認識があまりうまくいかないのです。イヤフォンの使用でTalkBack音はイヤフォン側へ出力され、目的地設定の音声入力との重なりを避けることはできますが、この点の改善が必要だと考えています。
 目的地の指定に関しては「この前行ったところ」という音声入力だけで判断し、目的地が指定できるようにできないかという要望もあります。

いろいろな意見、要望を参考に、今後もよりよいバージョンアップ版を公開できるように開発を進めていきます。

取材日:
2012年12月
取材協力:
クリエートシステム開発株式会社

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