視覚障がい者のための歩行支援システムというと、GPS機能を活用して経路を案内するしくみと、障害物や前方の危険物を検出し視覚障がい者に知らせるしくみの2種類があります。わたしたちアルファメディアが取り組んでいるのは、後者のタイプで、ステレオカメラ画像を用いて、障害物を知らせるとともに、何も無い空間も検知するしくみを開発しています。
この歩行支援システムは、両目の代わりとなる2つのカメラを搭載しており、画像を解析して障害物などの情報をユーザーに知らせます。全盲の視覚障がい者であればメガネをかけるように装着し、弱視などですでにメガネをかけている人は、メガネにクリップで留めることができます。カメラの重さは70グラム程度です。メガネとして使うのに重すぎると耳や鼻が痛くなってしまうので、かなり軽量化しました。
クリップタイプのカメラをメガネに装着した様子
2つのカメラから2つの画像を取り込み、その画像から、装着した人の前方の路面について「手前」、「中間」、「遠方」の3点の距離をそれぞれ計測します。歩行者から3点の計測点までの距離などの変化から進行方向の奥行きや勾配、障害物の有無を割り出す仕組みになってます。前に進んでよい状態であれば「ドレミファソラシド」の音階で音楽が流れています。
危険があればアラーム音が鳴ります。アラーム音はイヤホンで聞くことが可能です。他の様々な音をさえぎらないように、骨伝導タイプのイヤホンを選んで使うことが多いようです。白杖や盲導犬と併用してこのシステムを使うことを想定しています。
歩行支援システム概要図