サイトマップ - ヘルプ - お問い合わせ
 
 
現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者支援サービス・取組 > 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による福祉用具実用化開発推進事業(3/3)

国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による福祉用具実用化開発推進事業(3/3)

3 平成27年度以降の展開

  高齢者や障害者の自立の促進、介護者の負担の軽減という基本的に理念は変わりませんが、平成27年度からは、名称が「課題解決型福祉用具実用化開発支援事業」となります。予算は1億円です。基本的内容は従来の制度と同様ですが、製品開発を担う民間企業とユーザー評価を担う福祉施設や介護施設などとの連携をより強化するようにしたことと、開発・実用化のターゲットを具体的に示した点です。例えば「身体的特徴に合わせるカスタムメイド製品等」「アクセシビリティに配慮したインフラを支える機械器具等」「障害や多言語に対応したコミュニケーション支援機器等」「より多くの人がともに利用しやすい製品等」の開発・実用化となっています。また、助成金の上限がこれまでの年間1,000万円から2,000万円と2倍にアップされます。「1,000万円では、ちょっと。もう少しあれば何とかなるのだが」という事業者からの要望に応えたもので、応募者が増えることを期待しています。

  この助成制度では、市場化が大事なポイントですので、企業側のアイデアと利用者側のニーズの一致がきわめて大切です。採択された事業の半数が市場化されたとはいえ、まだまだ普及という観点からは不十分な点があります。ですからニーズを顕在化させて、それを早い段階に事業者側にきちんと伝え、正しい方向性で開発を進めていただくことが我々の責務と考えています。公益財団法人テクノエイド協会(http://www.techno-aids.or.jp/)などが、シーズ(種、アイデア)を持つ事業者や研究者らと、ニーズが分かっている障害当事者団体などとの交流を行う「シーズ・ニーズマッチング強化事業」の開催を進めていますが、NEDOとしてもこうした活動にも積極的に参加し、連携を密にしながら協力を進めていく考えです。

  NEDO独自でも、大企業との連携で用具の開発や販売などを進めていきたいと考える中小企業と、関心のある大企業とのいわばお見合いである「マッチング会」の開催などもより広く行うほか、資金繰りでも政府系金融機関やベンチャーキャピタルなどとの仲介を行い、助成金の交付ということだけでなく、事業者により寄り添う体制を強めたいと思っています。さらに、この福祉用具実用化開発推進事業について知らない事業者も多いと思われるので、各種のイベントなどに合わせて、より多くの地域で制度の紹介や公募説明会なども開きたいと思っています。

取材日:
2015年2月
取材協力:
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

ページの先頭に戻る

前へ 目次へ