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聴覚に障がいを持った児童・生徒への教育支援ツール「こえみる」 NTTサービスイノベーション総合研究所(3/4)

3 教育現場での活用

「こえみる」の開発当初は、ろう学校の先生が、授業にてこのシステムをどのように活用いただけるのか未知数でした。しかし、実証実験やヒアリングを通じて、「こえみる」の必要性を感じると共に、現場での新たな課題を把握することが出来ました。

  学校では、声や手話を用いて授業をすすめたりコミュニケーションを行ったりします。しかしながら、手話はイメージを伝える手段であるため、正確な音を伝えることが困難です。例えば、日本語で数を数える場合、「1本(いっぽん)、2本(にほん)、3本(さんぼん)」や「一羽(いっぱ)、二羽(にわ)、三羽(さんば)」と言った具合に数えるものによって数え方や読み方が変化し、しかもその種類は多岐に渡ります。こうした場合は、「よみ」を文字にて伝えるほうが、適切に伝わります。これらは、手話では伝え切れない正確な音を伝えるために、「こえみる」が有用となる例です。

  敬語や擬音語、擬態語といった言葉も、手話では伝えにくい例です。実証実験の中でも先生たちからは、文字にすることで、こうした言葉の意味やニュアンスをより伝えやすいと評価いただきました。

  さらに、「こえみる」の効果として、先生が板書する時間が減り、授業のテンポが良くなる点もあげられます。また、発話した内容が記録として残るので、授業の振り返りが行いやすいのもメリットの一つだと考えています。

  授業中の音声認識精度を高める取り組みも行っています。音声認識システムの仕様上、認識辞書に登録されてない単語を認識することは出来ません。「こえみる」は、学校の授業で使うことを目的としているため、教科書に掲載されている単語をカバーしています。その結果、先生が丁寧にはっきりと話していることもあり、授業で用いられる言葉の90%以上を認識することが可能です。

電子黒板を使った授業の例を示す写真
  電子黒板を使った授業の例を示す写真
(実際の教育現場では、写真に示すように電子黒板に表示された文字を見ながら、先生が授業を行う。)

「こえみる」活用例を説明する動画
(動画を見る場合は上の画面の左下の三角矢印をクリックしてください)

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