受講対象にしているのは、看護師、保健師、作業療法士、介護福祉士などにALSをはじめとする難病の支援に携わっている方々です。実際に現場で働く支援者の皆さんが、ICTツールの使い方を学び、知識を蓄えることで、コミュニケーションが格段に向上すると考えたからです。どのような講座内容にするかについては、NPO法人ICT救助隊と打ち合わせを重ね、毎回見直しを図りながら組み立てています。講座でレクチャーする内容のうち定番のものは次の通りです。
(1)文字盤の実習と携帯装置 透明文字盤の活用方法の学習や携帯型会話補助機器、レッツチャット(スイッチを押すことによって、文字を入力していく機器)等の体験。
(2)「伝の心」「オペレートナビ」 障害によってマウスやキーボードでの操作が困難な場合でも、パソコンを1つのスイッチで操作できるようにするソフトウエア。厚生労働省の補装具費の支給対象となる「重度障害者用意思伝達装置」に認定されている。類似した内容の「オペレートナビ」はスイッチ1つでWindowsパソコンの操作を支援するアプリケーション。
(3)スイッチの適合 障害の状態に合わせ、患者がスイッチを上手に満足いく形で操作できるように、また障害の進度によってより適したスイッチをアドバイスできるようになることが目的。
具体的な活動を考える時、社内だけでの議論ではどうしても内容が真のニーズから外れてしまう可能性があります。そこで、ICT救助隊のメンバーの皆さんと対話しながら決めていくことで、より現場や地域で求められていることは何か、今後深刻化が予想されることなどを踏まえて、支援者の皆さんにとって役立つ支援内容を学べる講座になっていると思っています。
参加者同士でツールの使い方を実践参加者同士でツールの使い方を実践