2017年からの実証実験を経て、2020年4月に事業化されるとのことです。プラットフォームが浸透することで、高齢者や介護の世界がどのようにアップデートされていくと思われますか?
山岡:ひとつは“人の能力のアップデート”です。たとえば、生活習慣病は正しい生活をしていないから発症してしまう病気とされています。しかし、もし正しい情報とデータが手元にあれば、改善する方向性がはっきりして、行動に移すことができると思います。テクノロジーの力で自分自身の状態を可視化させ、自助努力で改善できることが増えると、その人ができること、つまり能力がアップデートされていくはずです。それにより、健康状態の維持による人生の質、生活の質を向上させることを目指しています。
佐伯氏:もうひとつは先ほどからお伝えしてきた“介護能力・スキルのアップデート”です。テクノロジー化によりアセスメントの質向上・保証を図り、それにより、高齢者だけでなく、高齢者ケアに従事するスタッフのポテンシャリティも引き出したいと考えています。ヘルスケア業界は、燃え尽き症候群やストレス過多を背景とした離職の多さ、採用難など様々な問題を抱えています。我々のこの取り組みが、現場スタッフの負担を減らし、高齢者ケアに専門職として携わることの“新しい魅力”を引き出す契機、かけがえのない喜びと感じてもらえるような契機になることを目指して、プラットフォームを広めていけたらと思います。