今後、視覚以外にチャレンジされたい分野はありますか?
藤井:最近は、聴覚に可能性を感じています。現実世界とデジタル情報を融合するAR(拡張現実)というテクノロジーがあるのですが、このARと音と組み合わせたら面白いと思っています。たとえば、誰かと会ったときにARを活用して、目の前にいる人の名前を忘れてしまっても、名前を表示してくれたり音声で知らせてくれたりするようなソリューションです。
それは、どのような課題を解決してくれるのでしょうか。
藤井:まず、人の顔や名前を思い出す手助けをしてくれます。たとえば、耳の奥から小さい声で「この人は○○さんです」と教えてくれると、より親切ですよね。記憶が怪しくなった高齢者だけではなく、たくさんの人に求められるソリューションだと思います。これもある意味、無意識へのアプローチにつながるテクノロジーになり得るはずです。