就労に関するサポート体制について教えてください。
外尾:就職活動に関しては、ご本人の意向を大切に支援員は伴走をしています。企業から求められるスキルとして、主体的に行動できる能力があるため、本人に一任して見守ることも大切にしています。もし、一人では難しい場合であれば、我々職員が支援します。面接に付き添うこともあります。
就職活動では、どのような部分が評価されますか?
外尾:人物評価はもちろん重視されますが、IT系やゲーム系の企業はポートフォリオ(制作物)で評価されるケースが多いです。まずは、ポートフォリオをデータまたは USB で提出したり、面接で直接見せるためにノート PC を持参してプレゼンしたりします。そのため、就職活動中にも、施設に足を運びポートフォリオのブラッシュアップや、新たな作品作りに勤しむ人もいます。ほとんどの人は作品に磨きをかけつつ、色々な企業にアタックしています。
企業が求めている人材に、特徴的な傾向はありますか?
松田:プログラミングができて、かつ英語ができる人を求めている企業が多いです。英語は海外のアプリやソフトを使うために必要になってきます。ただ、開発も英語もできる人材は稀です。そのため、就労にあたって開発と英語ができることは強力な武器になると思います。
年齢の壁に関してはいかがですか?
松田:やはり変化が激しい業界ですし、学ぶことも多いので20代から30代の方を求める企業が多いです。我々の施設では、18歳から65歳まで受け入れているので、年配の方も少なくありません。ただ、IT系での就労実績がないと、45歳以上の方が就職するのは業界的に難しいと一般的には言われています。
実際に、企業で活躍されている方の具体例を伺えますか?
外尾:高校中退してから7年ほど引きこもっていたAさん(女性)は、アルバイトをしたこともあったそうですが、ミスばかりで怒られては辞める日々を繰り返し、仕事が続きませんでした。引きこもっていた当時、発達障害だとは診断されておらず、偶然父親がテレビで発達障害を扱った番組を目にして、もしかしたらと病院に連れて行ったことで発覚したそうです。本人も家族も就労は諦めていたようですが、GFTD WORKSの存在を知り入所。プログラミングならできるかもしれないと学びはじめ、3カ月後にYahoo!に入社しました。
若月:もう一人のBさん(女性)は、ゲーム業界でゲームプランナーとして働いていたのですが、発達障害が原因でうつ病を発症して、なかなか会社に行けずに体調崩してしまいました。しかし、ゲームが本当に好きで、ゲーム業界から離れたくないという確固たる意志があり、きちんとプログラミングを勉強したいと入所。ゲームプログラミングを学び、並行して就職活動をして、3週間という短い期間でゲーム会社にプランナーとして採用されました。
スキルの有無はもちろんですが、本人に熱量がないとここまで早く就労できていなかったと思います。
Gftd Works株式会社 取締役 最高技術責任者 若月雅奈氏