これから「袖縁」をどのように広めていきたいとお考えでしょうか。
友枝:私は、「袖縁」というアプリだけが流通してもしょうがないと思っているんです。そのため、「袖縁」のような手助け型アプリだけではなく、バリアフリーマップやナビ等の自立的な移動を支援するアプリなど、さまざまなアプリやテクノロジーとエコシステムを構築して、要配慮者が生きやすい社会の実現を目指したいと思っています。
日本も批准する国連の「障害者権利条約」では、社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」の理念に則り、合理的配慮の未提供は差別にあたる、とされます。しかしながら、専門家からは「心のバリアフリー」の遅れが指摘されています。かつて、車いすで電車に乗ることは非常識とされた時代がありました。しかし、その風潮を変え、バリアフリーを実現させてきた先人がいたわけです。「心のバリアフリー」も同様だと思います。
「「袖縁」で行動のバリアは軽くできます。「袖縁」を用いて、仕事の中で無理なく場数を踏む。「袖縁」を通じて、多くの人の凝り固まった「心のバリア」が解きほぐされていけばいいな、と思っています。
※「袖縁」アプリリリースは2021年度下期を予定。