K1の概要

K-1システムはわが国最初のVLBIシステムとして1975年から2年にわたり郵政省電波研究所鹿島支所で開発されました。VLBI固有の装置だけ新たに開発し、宇宙通信などに使用されていた既存の装置と繋ぎ合わせ、鹿島支所26mアンテナと当時の電電公社横須賀通信研究所12.8mアンテナの間で1977年1月から2月にかけて初の実験が行われました。距離は僅か210km、距離にして1.5mの測定精度に過ぎませんでしたが、日本における最初のVLBI実験として歴史的な一歩を刻みました。

K2の概要

日本初のVLBI実験での測定精度は距離にして1.5mでしたが、米国など、当時の世界の趨勢は3cmでした。当時、郵政省電波研究所では将来のミリ波通信を目指した実験用静止通信衛星(ECS)計画が進められており、この計画のひとつの実験テーマである大気による位相シンチレーションの測定装置として2号機K2が1977年から2年間で開発されました。K2は副局で受信した5チャンネルのサンプルデータをマイクロ回線で100km余離れた主局に送る実時間VLBIシステムの能力を備え、バンド幅合成法により6cmの精度を達成し、世界と肩を並べるところまで到達しました。