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高速、高感度光子検出技術は、量子暗号や量子信号処理などの量子情報通信技術にとって重要なキーテクノロージの一つです。
超伝導現象を利用した光子検出器は、既存の半導体光子検出器(APD)を凌駕する高速、高感度、低雑音かつ広帯域などの優位性を示しており、近年、量子情報通信や量子信号処理の切り札として期待されています。
本研究では、従来の光子検出器の限界を超える究極な高感度光子検出器の実現を目指して、窒化ニオブ(NbN)や窒化ニオブチタン(NbTiN)薄膜を用いた超伝導 ナノワイヤ単一光子検出器(SSPD)の研究開発を行っています。
● NbNナノワイヤ単一光子検出器の作成技術を開発・確立し、厚さ4nm、線幅100nmの デバイス作製に成功しました。(図1)
● 光ファイバと検出器素子の実装技術、及び小型冷凍機を用いたSSPDシステムを開発 し、1.55μm波長帯において世界最高性能を達成しました。(図2)
● SSPDを用いた量子鍵配布(QKD)フィールド実験に成功、世界最高速、最長距離を 達成しました。(量子ICTグループ、NEC、NIST共同研究)