超伝導は、その特性を生かしたさまざまな応用が可能です。
まず、エネルギー応用として、電気抵抗ゼロの特性を生かして、エネルギー損失の非常に少ない、効率のよい電力の生産・送電を可能にします。
また、医療分野での応用として、非侵襲で検査ができる、超伝導材料で作製した強力な磁場を発生する電磁石を用いたMRIシステム、超伝導量子干渉素子(SQUID)を使用した次世代医療機器などがあります。
輸送分野では、超伝導磁石の力で浮いて走る超電導磁気浮上式リニアモーターカーがあります。騒音や振動が少なく、高速走行が可能です。
エレクトロニクス分野では、従来のトランジスタの代わりに超伝導単一磁束量子(SFQ)素子や超伝導量子ビット(Qbit)素子などを使用した、超低消費電力、超高速のデジタル回路と量子コンピュータへの応用があります。
また、超伝導トンネル接合を利用した超高感度、極低雑音電磁波受信機は、電波天文観測や地球環境計測などで使われています。
近年、量子情報通信の分野では、超伝導ナノワイヤを用いた光子検出器が高速、高検出効率、極低雑音かつ広帯域単一光子検出器として注目され、量子暗号鍵配送フィールド実験で使用されています。 |