CIIは、空気のキレイさを定量的に表す指標で、1以下の数字で表されます。

1は完全にキレイな空気を表し、数字が小さくなるにつれて、大気汚染物質が存在していることを表します。

大気汚染物質の量が基準値に達すると0、負の値になると基準値以上の大気汚染物質が存在していることを表します。

ここでNは大気汚染物質の種類数、x[i] は i 番目の大気汚染物質の量を表しています。

s[i]は正規化のための係数です。

大気汚染物質の種類によって、基準値は高いものから低いものまで様々です。

大気汚染物質の量そのものではなく、基準値と比べてどのくらい多いか少ないかを統一的に表すための処理が正規化です。

CIIで評価の対象としている大気汚染物質は、世界保健機構(WHO)が設定しているガイドライン(AQG)によって示されている、オゾン(O₃)、粒子状物質(SPM)、二酸化窒素(NO₂)、二酸化硫黄(SO₂)です。

大気汚染物質の量は、WRF(Weather Research and Forecasting)と CMAC(Community Multiscale Air Quality)というモデルを組み合わせて計算したものを使用しています。

空気のキレイな季節は？街は？

図1は、2014年4月〜2017年3月までの一日の平均CII値です。

横軸は時間(日)、縦軸は全国地方公共団体コードで、数値が低いほどおおよそ北にある自治体を指しています。

これをみると、日本の空気のキレイさは、季節によって変わっていることがわかります。

春にはユーラシア大陸から吹く風に乗って各種物質も日本にやってくるため、CII値は低くなっています。

逆に夏には、太平洋からキレイな空気が日本にやってくるため、CII値が高くなっています。

表1は、東京・ソウル・北京のCII値を比較したものです。東アジアの大都市の中では、東京は比較的空気がキレイな街であることがわかります。

図2は、3年間の日平均CII値を地図で表示したものです。日本の中で特に空気のキレイな場所（水色）は北海道東部に集中していることがわかります。

さらにCII値が最も高い30日間で日平均を取り、上位100都市を選出して「空気のキレイな都市100選」を作成しました（表2）

なお、CIIはすでに社会の中に浸透され始めており、例えば株式会社ウェザーニューズによって、CIIを用いた日本の空気のキレイさについての記事が配信されています。

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