平成13年11月27日〜29日の期間に、各実験協力地域において情報提供者側の立場で参加いただいた企業・団体の担当者を対象にアンケート調査を行った。アンケートはファクスまたはメールで配布し、12名からの回答があった。この調査は実証実験期間の中頃に実施し、その時点でのウェブアクセシビリティに関する意識や取り組みの状況について回答を得たものである。
実証実験に参加する以前に、ホームページ作成に際して、障害者・高齢者への配慮を行っていたかについて尋ねた。
回答のあった12名のうち、障害者・高齢者をホームページの利用者として想定していたのは9名であった。中でも高齢者を想定していたとの回答が最も多く、7名であった。障害者を想定していたと答えた人では、「全盲の人」が3名、「肢体不自由の人」が1名あった。「弱視の人」「色覚障害の人」「知的障害の人」を想定していた人は一人もいなかった。
実証実験の参加状況を聞いた。最も多くの人が取り組んだのは「J-WASでの点検」で、10名から回答があった。次に多かったのが「講習会への参加」と「交流会への参加」で8名、「ホームページの修正」に取り組んだとの回答は6名であった。なお、「アクセシブルサイトとして申告」をした人は2名にとどまった。
実証実験に参加した感想は、大きく以下の3つに整理できる。
実証実験参加をふまえ、今後どのようにアクセシビリティ改善を行う予定かについては、おおむね改善に積極的な意見があがった。主な意見は以下のとおりである。
今後、ウェブアクセシビリティを改善していくために求められる支援策を聞いたところ、最も多く寄せられたのは、「アクセシビリティへの配慮が評価されるような社会的認知」(10名)であった。次いで、「J-WASのような点検システム」(7名)、「アクセシビリティに配慮したオーサリングツール」(5名)といった、アクセシビリティ改善を技術的に支援するものがあげられた。
以下は、「技術の本」(4名)、「教育システム」(3名)、「コンサルティング」(2名)、「法制度」(2)名、「制作会社」(0名)であった。
また、その他として、「利用者の具体的な評価・意見」や「金銭的援助」といった意見が5件寄せられた。