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「カラーユニバーサルデザイン(UD)」普及啓発のためにできること (東洋インキ) (2/4)

2. 色覚障がいの人にはどのように見えるのか

ここで、色覚障がいというものについて、少々説明をしたいと思います。もしかすると誤解をされている方もいらっしゃるかもしれませんが、色覚障がいというのは、色が「見えない」わけではありません。一般の色覚を持つ方と、少し見え方が違う、ということなのです。

人の目の網膜には「錐体(すいたい)」という細胞があります。錐体には、赤色を感じる「L 錐体」、緑色を感じる「M 錐体」、青色を感じる「S 錐体」の3種類があって、これら3つの錐体を組み合わせることによって、色を認識することができるのです。ただし、これらの錐体のうち、どれかひとつでも正常に機能しないと、一部の色の識別ができなくなってしまいます。これが、色覚障がいのメカニズムです。

現在日本では、遺伝によって発生する先天的な色覚障がいをかかえる方は推定で約320万人、加齢や病気の影響等で後天的に色覚障がいが発生した方は30万人以上に上ると言われています。

また、色覚障がいは、どの錐体が正常に機能しないかによって、大きく3つのタイプに分けられます。先天的色覚障がいのうち、約25%を占めているのが、L 錐体が存在しない(=赤錐体が欠落している)というもので、これを「第1色覚障がい」と言います。そして、約75%を占めているのが、M 錐体が存在しない(=緑錐体が欠落している)「第2色覚障がい」です。S 錐体が存在しない(=青錐体が欠落している)「第3色覚障がい」は、ほとんど発生しないと言われています。

通常の見え方(中央上)、第1色覚障がいの見え方(左下)、第2色覚障がいの見え方(中央下)、第3色覚障がいの見え方(右下)の写真
通常の見え方(中央上)、第1色覚障がいの見え方(左下)、第2色覚障がいの見え方(中央下)、第3色覚障がいの見え方(右下)(※)

(※)この画像は、特定の理論と計算式に基づいてシミュレーションしたものであり、すべての色覚障がいの人が、このように見えているわけではありません。

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