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現在位置: トップページ > トピック記事 > 情報バリアフリー全般 > ICTを活用したい障害者と活動できる人材の育成

パソコンなどのICTを活用したい障害者と共に考え、
活動することのできる人材の育成が必要です(3/6)

3. 聴覚障害学生のための授業支援プログラムはどんなものですか

長野大学は学生数1400人ほどの小さな大学ですが、その中で障害のある学生が40人弱います。障害学生の割合(2%以上)は、他大学よりも多いと思います。現在は視覚障害のある学生はいませんが、肢体不自由聴覚障害の学生が在籍しています。

2005年から聴覚障害のある学生に向けた授業支援、「JOIN Project」を実施しています。これは日本IBM(株)との共同プロジェクトとして始めました。教員の音声を文字情報に変換し、パワーポイントの画面に字幕をつけるシステムを実際の授業で使っています。

日本語の音声認識技術は同音異義語などの誤変換が多いことから、日本IBMが開発した字幕編集システムを利用して、授業後に適切な文字情報に編集する必要があります。共同プロジェクトは1年間でしたが、その後は大学独自の障害学生支援プログラムとして現在も続けています。

授業支援を行う科目の選択にあたっては、

この3つの要素を兼ね備えていなければなりません。

共同プロジェクトとして、はじめて行なった講義は児童福祉論でした。教員が注意して発音しても誤変換がかなりありました。専門用語は事前に登録しておくため、漢字レベルの変換率としては8割くらいでした。2008年度前期は私の担当する福祉情報論Bで実施しました。自分はサポートスタッフに徹したいと考えていたのですが、社会科学系大学であることからパソコン(パワーポイント)を用いて授業をする教員が多くなく、対応できる授業が限られてしまいます。聴覚障害者のための音声字幕化の取り組みはいくつかの大学で行なわれていますが、大学の講義全てを継続的に字幕化している取り組みは聞いたことがないですね。

編集された字幕データは、マルチメディアファイルになり、学内ネットワークシステムからどの学生もオンラインで見られるようにしてあります。

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