私は、小さいころから女優を目指していたわけではないんです。「アイ・ラヴ・ユー」はろう者と聴者がつくる映画だと聞いて、ぜひやってみたいと思いました。“やってみたい”という気持ちが恥ずかしいという気持ちよりも前に出たというのでしょうか、主役のオーディションにチャレンジしました。その前にNHKの子供向けの手話番組などに出演した経験があったので、オーディションを受けてみようという気持ちになれたのだと思います。
ろう者の監督、聴者の監督が映画を共同制作するのは初めてのことでした。もちろん、「アイ・ラヴ・ユー」には、ろう者の役者さんもたくさん出演しました。「アイ・ラヴ・ユー」の撮影のときには、初めての作品だったので、一生懸命セリフを覚えて、演じることに集中したので、印象に残っています。「アイ・ラヴ・ユー」では、小学生の女の子がいる母親役を演じました。2作目の「アイ・ラヴ・フレンズ」はカメラマンの役、3作目の「アイ・ラヴ・ピース」では、義足をつくる技師の役。自分と全く違うキャラクターを演じるのはおもしろいと思っています。いろいろな表情や喜怒哀楽を表現したり、いまは演技をとても楽しんでいます。
映画に出たことは、自分自身にとって転機になりました。みなさんの前に立つことも、大きなチャレンジでした。でも映画に出演したことで、勇気をもって積極的にいろいろな人に話しかけたりできるようになりました。
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原本作成日: 2008年1月10日; 更新日: 2019年8月19日;