「平成12年の春先に、高井拓夫氏(鳥取リコーマイクロエレクトロニクス勤務)から、AMラジオを端末に使う音声案内装置を発明したということを聞いたのがそもそもの発端でした。電気技術者である高井氏は自宅の近くに盲学校があり、通学生の様子をよく見かけていたそうです。そして視覚障害の方の役に立つ装置を開発したいと考え、仕事とは別にこの装置を完成させました。
一方、私自身は、専門領域の「障害者、高齢者にやさしいまちづくり」の関係でメンバーの1人となった「しまねユニバーサルデザイン研究会」という任意団体組織で、全盲の三輪利春氏と知り合ったのです。ネットワーク応用通信研究所に勤務する三輪氏と話をする中で、視覚障害者が外出する際に、街として、どのような点が問題か、どのようなことに期待がかかっているのか、ということをおぼろげながら知ることになりました。」
「この出会いがあって、松江の街で高井氏の発明した装置を使う話になったのです。平成12年7月23日の日曜日、天神町商店街に面する約15の店舗に発信器を設置し、お店の案内を商店主の声で発信器に吹き込んでもらいました。10数名の視覚障害者の方々が天神町にこられ、持参の携帯ラジオを片手に通りを歩く、『声のウィンドウショッピング』が実現したのです。新聞、テレビ、ラジオにも大きく取り上げられ、実験に参加していただいた視覚障害者の方からの評価も含め、全体的に評価が高かったことが、事業を始めたきっかけです。」
街中でも情報が聞ける
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原本作成日: 2005年8月10日; 更新日: 2019年8月20日;