「情報デバイドについては、本当にアクセシビリティを考えるなら、障害のある人の問い合わせ番号が一番先にあれば、電話で聞けていいのにと思うこともあります。結局、電話も、FAXも、Webも、手紙もみんな大事ということです。1つのチャンネルですべてをするというのが問題です。チャンネルを複数残すことが重要ですね。
基本は、同じ情報をみんなに理解してもらおうと思ってはいけません。すべての人に同じ情報を与えようとするのは間違いです。障害の種類や程度によって理解できることは違います。理解できる部分はきちんと理解させてあげようとします。でも、例えば目の見えない人にわからないものは、そうはっきり言った方がいい場合もあります。無理矢理分からせようとするのは無理があります。知的障害者などには、情報量を制限して大切なことだけ伝えないと分からないこともありますし。」
「考え方については、日本では不足している人権への意識を持つことだと思います。障害のある本人が知らせてもらって、判断して、意思表示でき、自己決定できる。他の人とも話せる、情報を手に入れられる、できることは自分でできる。これがこころの自立ですね。それを支えるための機器であり、技術という意識です。技術はその人の人権を守るための道具として使うというのが基本的考え方です。
公的支援については、アメリカはリハビリテーション工学研究センターなどがありますが、車椅子ならどこ、コミュニケーションならどこ、という形でキチンと対象を分けて重点的に支援をしています。最初の選考はとても厳しいのですが、5年とか10年単位で、高額な予算がつきますから、みんな必死になってやる訳です。法律なども含めて、そういうシステムが日本にもないといけないです。」
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原本作成日: 2005年10月7日; 更新日: 2019年8月20日;