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邦画にも日本語字幕を、という切実な願いを受けて、
web-shake字幕配信サービスを開始しました(6/6)

6. 字幕アーカイブの取り組みについて

アメリカでは、1996年に「テレコミュニケーション法255条」が制定されました。この法律は、障害がある人も情報機器や情報に対して普通にアクセスできる権利を保障することをメーカーやサービス提供者に義務付けたものです。日本では、総務省が字幕放送の普及を図るために、2007年までに生放送を除くすべてのテレビ番組に字幕を付けるように指導していて補助金も出ていますので、放送字幕については少しずつ改善されてきました。しかし映画、DVDなどの字幕に補助金は出ません。

映画などのDVDを発売後にバリアフリー化しようとすると、そのコスト、権利処理などの問題にぶつかります。最近、耳の不自由な方に向けた字幕を許諾不要にしようという著作権法改正の動きもありますが、残念ながら「字幕をデータで持つ」という考え方はまだ考慮されていません。

当社が単独で字幕配信をDVDに付けていったとしても、いずれDVDも次世代メディアに切り替わっていきます。字幕については映画製作時に作成し、映像素材と字幕をセットで管理することが望ましく、字幕のない過去の作品は「字幕アーカイブ」にした方がよいと考え、映画業界各社に実現を広く提唱しているところです。

アメリカでは主なテレビ番組には「クローズド・キャプション」が付いています。クローズド・キャプションは聴覚に障害がある方が番組を楽しめるように考え出されたアメリカの公式文字放送です。セリフやナレーションがテレビ画面に字幕表示されます。この制作は広告収入で賄われているケースもあり、資金協力した企業の名前が字幕エリアに入ることも聞いています。

当社でも賛同していただける企業や団体を募集しています。協賛していただける企業が増えれば、さらに多くの作品の字幕アーカイブを作ることができます。字幕提供が広告ビジネスとして成立すれば、聴覚障害者用日本語字幕を一般化していけるのではないかと考えています。

川野浩二さんの写真
※写真3 株式会社キュー・テック web-shake担当プロデューサー 川野浩二さん

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取材日:
平成19年12月11日
取材協力:
株式会社キュー・テック
http://www.qtec.ne.jp/
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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