触覚ディスプレイには64×96本のピン(凹凸)がはめ込まれており、このピンが隆起することによって、図形などの形状を表現することができます。レーザーが指の触れた位置を感知し、凹凸で表示された図やアイコンに対応する内容を音声で出力したり、選択動作をガイドするなどのインタラクティブな操作も可能になっています。
例えば、こちらは実際にデータ放送で流れている、円と株についての情報ページです(※画像3参照)。これを触覚提示用に画面を変換すると、その画面の位置通りに触覚ディスプレイ上にもナビゲーションアイコンやグラフのアイコンが浮かび上がり、手で触れると「日経平均株価のグラフです」などのガイドが音声で流れます。その部分をさらにタッチすると、グラフの曲線自体がディスプレイに表示され、変動の経緯が指でたどってわかるようになっています。
さらに、ディスプレイのピンは、点字の間隔に合わせて配置しているので、表示を切り替えれば紙点字と同じように読むこともできます。特に文字量が多い情報は、音声出力のみにしてしまうと、盲ろうの方など音声を聞き取りにくい方にとっては、逆に不親切な情報になってしまいます。そういう場合には、レイアウトは多少無視した形でも、多数行の点字で出力できるようになっています。
グラフは、現状は触っていただくだけですが、将来的には触った個所の数値データ等を読み上げられるようにするなど、より高いアクセシビリティを実現できるようにしていきたいと思っています。
(左から)データ放送画面、触覚提示用に変換した画面、
触覚ディスプレイ用上に提示した株価のグラフ
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原本作成日: 2011年3月15日; 更新日: 2019年8月23日;