スマートフォンアプリには、従来の環境制御装置にはない、スマートフォンアプリならではの良さがあります。
たとえば、スイッチの認識のスピードがそのひとつです。マヒなどの事情で、体をゆっくりとしか動かすことのできない方などには、そのスピードに合わせてスイッチの認識時間を設定することが簡単にできます。また、アップデートの容易さなどもスマートフォンアプリのほうに優位性があると思います。
コストを大きく削減できるのは、スマートフォンを活用する最大のメリットです。これまでカスタマイズで製造されていた環境制御装置に比べ、ほぼ同機能で、かかるコストを約10分の1程度まで削減しました。アプリ自体の価格もまずは利用者を増やすという観点から、無料版があり、有料版も比較的安価に設定しています。
四肢障がいのある方の状況はさまざまで、それぞれ固有の環境に依存しています。このため、スマートフォンの汎用性を活かして、その人に一番使いやすいところで使えるようにしています。このアプリケーションは、研究・開発から事業化につながり、その製品化が評価されたことで注目されていますし、慶応義塾大学系列の医療施設で実証実験を行った際、高い評価をいただいています。
四肢障がいをもつ方が、少ない動きでも文字入力が可能になるスイッチ機能を採用
*スイッチ機能の例:あ行、か行、さ行のように、まず行単位にスキャンされ、
例えば「か行」でタッチされると、「か行」の中を順に 「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」、とスキャンされ、
タッチすることで文字を選択する機能。2回のタッチで文字が選択できる。