創業から約130年。この歴史の中で培ってきた様々な技術、音に関するノウハウを別の分野で活かしていくことはできないか、「音」の会社として世の中のために現在の枠を超えて貢献できることはないかと考えたのがきっかけです。
考えていく過程で、私たちの会社は皆さんもご存じの通り楽器や音響機器など「音」に関連した製品やサービスを中心に展開してきましたが、聴覚障がい者の方々には、何ら「音」を提供できてないのではないかと思い至りました。そこで、「何か、彼らの役に立つ新しいバリューを提供することは出来ないのか」という思いがプロジェクト発足の大きな原動力となったのです。
加えて、後述しますが、世の中には様々なかたちで自動翻訳・自動認識をするシステムがあるのですが、いずれもアナウンス用途には適さないという問題を見つけました。よくよく考えてみると、むしろ「アナウンスにこそ自動翻訳・自動認識が必要」なのです。なぜなら、対面で会話をする場合は、一言、二言の片言であったり、筆談、身振り手振りなど様々な方法でコミュニケーションを取ることもできますが、アナウンス(ショーやガイダンスも含めて広域な意味でのアナウンス)は、そもそも誰かに聞くことがなかなかできなかったり、突然流れてきたり等、対人対応ができない領域なのです。
それにもかかわらず、街中にはアナウンスが溢れています。しかも、聴覚障がい者の方などは、そこに音が流れていることすら分からなかったり、聞き取り辛いということがあります。また、外国人にとっては、聞こえていても内容が理解できないということもあります。このような問題を、ヤマハが楽器で培った音の通信や解析技術とNICTの自動認識技術を組み合わせた新しいソリューションで解決していこうというのが「おもてなしガイド」です。音が聞こえにくい高齢者や聴覚障がい者の方が暮らしやすい社会や、訪日外国人の利便性向上を目指そうという思いが「おもてなしガイド」には詰まっています。
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