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聴覚障がい者や高齢者に音声アナウンスの情報を文字でお知らせ。
音のユニバーサルデザイン化支援システム「おもてなしガイド」(5/5)

5 今後の予定と将来の展望

今後は、これまで実際に起こった社会的出来事や実証実験から見えてきたものを、いかに「おもてなしガイド」に反映させ、改良を重ねていくかが、重要であると考えています。

最近は、あらゆるものがインターネットに頼っていますが、有事の際にはインターネットが使えなくなることもあります。例えば、東日本大震災において、「テレビより、ラジオよりツイッターが役に立った」という話をよく聞きましたが、ツイッターが役立ったのは首都圏においてです。被災地各所ではインターネットなど全く使えない場所も少なくありませんでした。さらに避難場所などでは、スピーカーから流れてくる防災アナウンスがはっきり聴き取れないなど様々な問題が発生しました。そうした時に、手元で、アナウンスの内容が文字で確認できるようになると、様々な人が過ごしやすい社会になってくると思います。最終的には、そういうところまで目指してどんどん改良していこうと思っています。

そして、どんなにいいものを作っても、空港では空港専用のアプリケーション、電車では電車専用のアプリケーション、テーマパークではまた特別なアプリケーションが必要……となると、使い方を覚えるのも大変ですし、そうしたものに備えて毎回アプリケーションをダウンロードするというのも現実的ではありません。1つのアプリケーションで、一連の観光などを楽しめなければなりません。そのためには、業界を超えて協力をしていくことが必要不可欠となってきます。例えば、全国60万の店内放送に私たちだけで対応していけるかというと、なかなかそうはいきません。ですから、商業施設や店舗用放送で国内最大手のUSENや、鉄道車両用の車内放送装置製造で国内最大手の八幡電気産業、バス用の車内放送装置製造の国内最大手であるクラリオン、鉄道駅用放送装置製造大手のアイテック阪急阪神と中川電気工業、ワンマン鉄道・バスのトータルシステム構築と放送装置を展開するレシップなどと実証実験をおこなうことで、日本中どこでもサービスが受けられるようにしていこうとしています。ヤマハでは現在も、こうした検証パートナーを引き続き募集していきます。

ヤマハは、「おもてなしガイド」ひとつあれば、いつでも、どこでも、「音のユニバーサルデザイン」のサービスを受けられる全ての人にやさしい社会の実現を目指していきます。

 

取材協力:
ヤマハ株式会社
取材日:
2015年11月

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