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「行きたい時に、行きたい場所へ」視覚障がい者の自立歩行をサポート 株式会社エクシオテック

1 「音・誘導路・触知案内」3つの融合

視覚障がい者が歩行するために3つの必要なものがあります。1つは「音の誘導」、2つ目は、「足で感知する誘導路」、3つ目は「手で感知する触知案内」。私たちはこの3点セットで視覚障がい者の歩行支援をしています。

まず1つ目の「音」についての支援は「音声標識ガイドシステム」です。

これは、携帯電話サイズの小型送受信機をポケットに入れて持ち歩くことで、情報提供エリアに利用者が入ると、電波を受信して小型送受信機が「ピッピッピッ」と反応し音声案内を受けられることを知らせてくれます。そこで情報を受けるかどうかは利用者次第。情報が必要な利用者は、小型送受信機を操作すると音声案内装置が反応し、目標となる場所から音声案内を受けられます。ただ流れる情報ではなく、自分に必要な情報を取捨選択して得ることができるのが、このシステムの大きなポイントです。さらに利用者利便に優れている点は、360度電波が飛ぶことで、利用者がどこを向いていても電波を受信でき、音声を頼りに方向も認知できることです。

厚生労働省に指定された、必要なときに必要な音声案内を受けられる、小型送受信機「シグナルエイド」
  厚生労働省に指定された、必要なときに必要な音声案内を受けられる、小型送受信機「シグナルエイド」

「シグナルエイド」という小型送受信機は、視覚障がい者にとっての生活必需品ということで、平成9年に厚生労働省に日常生活用具給付対象品目に指定されました。先ほどの音声標識ガイドシステムの機能にプラスして、歩行者用信号機に利用者がやってきた時、小型送受信機を操作することにより信号機の押しボタンを押したのと同じ状態にし歩行者信号機を青信号へ変え、さらに交差点を渡る時間を延長することも出来るというものです。このシステムは、全国の信号機に付けられていて、日常生活用具として認めたものになります。

次に2つ目の「誘導路」についての支援として「点字ブロック」「点字タイル」があります。単に商品を卸すのではなく、敷設設計業務の指導を行ったり、既に設置されたものへのアドバイスを行うこともあります。例えば、駅構内では、点字ブロックがくねくねと曲がって実際には使いづらいものとなっていたので、1本道にするように交通事業者に提案をしたこともあります。

続いて3つ目の「触知案内」です。これは、手すりに巻くシートや、地図などがあります。ここで大切なのは、点字は点が1つ取れると、点字の意味が変わってしまうということ。そのため、点字が絶対に取れたり擦り減らないように、点字にピンを打ち込み劣化を防ぎます。ただ設置するのではなく、耐久性も大切にしています。

ここで、さらに気をつけた点は「現在地」。視覚障がい者は、自分の現在地が分かりません。そこで、触地図上の一番尖ったところを現在地としました。さらに昔は、触地図は、視覚障がい者だけのものだったのですが、今は、カラフルな一般の地図の中に点字を邪魔にならないよう配置し、健常者も障がい者もどちらもが便利な地図として活躍しているのです。

私たちは、これら3点をバラバラではなくセットで用いることで、視覚障がい者の歩行支援をしています。この3点セットを扱えるメーカーはなかなかありません。この3つを融合できることこそが、私たちの30年の重みです。長年の経験があるからこそ、様々な提案ができ、取り扱いができるのです。

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