「C Vision S」の仕組みとしては、ウェアラブルデバイスに備え付けた小型カメラから取り込んだ映像を、内蔵してある赤青緑のLEDによってデジタル補正して、色変換したものをディスプレイに映し出しています。ウェアラブルアイウェアは、片目に装着する形のものを、耳にかけたりメガネなどに装着したりしてハンズフリーでの利用を想定しています。補正処理した目の前の光景は、ウェアラブルアイウエアと一体化したディスプレイに表示されます。
たとえば、赤色の感度が低い人は、「C Vision S」を通して現実により近い紅葉を見ることが可能になり、赤色の感度がほとんどない人は、色の違いがより分かりやすくなる先天的色弱については遺伝が関わっているので、現状は治療などで自身の色覚を変えることは不可能です。
また、後天性色弱に関しては主に、加齢による白内障・緑内障によって青色を感知する錐体が減っていくことから生じますが、元に戻す治療はいまのところありません。
後天性の場合は、これまで見えていた色と変わってきていることが自覚できますので、心理的にもストレスを感じる人は少なくないはずです。
そうしたストレスの緩和に繋げられるように、色弱の方がトマトの熟れ具合を判別したり、信号の色を容易に判別したりできるような技術を、引き続き開発していきたいと考えています。