最後に、高齢の方がICTを学び活用する価値とは、どのようなところにあるとお考えでしょうか?
本田:単純にスマホやアプリの使い方だけを学ぼうと思ったら、ネットで検索すればいいことです。でも、リアルなコミュニティの中で学ぶということは、私たちのように地方に暮らす高齢者にとってとても大切だと思うのです。もしかしたら、これからはメタバースに移行してしまうのかもしれませんが、やっぱりリアルな場で一緒に会話をしたり何かに挑戦したりすることが、生きがいでもあり、小坂町という場所で生きているという実感につながるのだと思います。
小笠原:やはり「できることが増える」ところでしょうか。スマホアプリを使えるようになったからこそ、自分が制作した動画をYouTubeで公開できるようになりました。その動画に対して「綺麗」とか「行ってみたい」というコメントが寄せられると、本当にうれしいです。
それから価値があるかどうかというよりも、世の中の流れについていかないといけないという気持ちも大きいです。というのも私が八重桜に入ったきっかけは、いつもFAXで商品の注文を受け付けていた遠方のお店が、FAXを廃止したことでした。「これはどうやら時代が変わってきているな」と感じ、なるべく早くICTに対応できるようにしないといけないと思ったんです。子どもになるべく迷惑をかけずに自分のことは自分でしたいですし、そのためにはICTを活用できたほうがいいです。今後、年を重ねるごとに、身体も動かなくなると思うので、そうなる前にスマホやアプリを使って少しでも楽しみを見つけたいですね。