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高齢者にアプリを提供する際、どのような方法にしたのでしょうか?
緒方:当初は、Wi-Fiモデルのタブレットやルーターなど周辺機器一式を貸出していましたが、「繋がらない」という声が頻発しました。そこで、今はSIMに変更してアプリをインストールした状態のタブレットを渡す方法に変更しています。
栗田:現在、貸出し用にタブレット(100台程度)を確保しています。端末の登録を済ませた状態でお渡しするので、端末を起動して画面をタップすれば、すぐに繋がるようになっています。そもそもタブレットに触ったことがない方もいるので、難なく操作できるのか懸念していたのですが、利用者から「簡単に操作できてわかりやすい」と声が寄せられています。
アプリをどのように活用して実証実験を行っているのでしょうか?
緒方:民生委員による定期訪問のオンライン化の実証実験の事例をご紹介します。コロナ前は、80代の一人暮らしの方を月1回訪問されていましたが、コロナ禍で訪問できなくなり、このアプリを使ってみることになりました。当初、その方はアプリ操作に不安もあるようで、自信のない様子でした。しかし、思った以上に簡単に操作でき、さらに非対面にしたことで話す回数や時間も増やすことができて、満足されているという声を頂きました。
「見守り・交流アプリ」で民生委員と会話を楽しんでいる様子
複数人の交流で、アプリはどのように使用されているのでしょうか。
緒方:地域の集会所や公民館を拠点にして行事や会食に参加するような交流のかたちを、オンライン上で再現できるアプリです。アプリの使用実験を行った際、元々老人クラブで面識のある81歳から91歳の5人にご協力いただきました。年齢層が高かったので、オンライン上で会話が成立するか心配しましたが、とても賑やかでした。同じ地域に住んでいるので、地元話や時事的な話題で盛り上がることができたのではないかと推測しています。
高齢者の声に寄り添いながら「見守り・交流アプリ」の開発を担当されている栗田さん