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テクノロジーとデザインの力で心に寄り添う世界をつくる。富士通のユニバーサルデザインへの取り組み

4 最先端技術とデザインで実現する“新たな価値”

杉妻さんは、ご自身も社会福祉士の資格をお持ちだと聞きました。社会福祉士の視点も交え、今後の展望をお聞かせください。

杉妻:社会福祉士として重要に感じるポイントは、「個別の支援」と「社会環境を変えて行く事」の2点です。もちろん、個人を支えて行くことは必要なのですが、テクノロジーと掛け合わせて考えた時に「環境側に障害がない社会環境を実現すること」の必要性を強く感じています。誰一人取り残さない社会づくりのためには、多様な人が参加できる障害のないインクルーシブなデジタル社会の仕組みづくりが大切だと感じるのです。

IT、デザイン、社会福祉士、この3つのシナジーがお仕事に生かされているのですね。

杉妻:5Gの遠隔授業は、そのような要素が活かされた事例だと感じています。特に、共創という面がとても重要で、一つの職種・企業がどんなに頑張っても限界がありますが、多職種で協力し、それぞれの専門家が知恵を出し合い、課題を解決していく。それは、社会福祉としても共通する考え方で、困っている一個人と社会資源を繋ぐ重要性と似ています。

また、デザインと社会福祉が似ていると感じるのは、その人の本当のニーズや困りごと、表面的なことでなく潜在的なニーズを見つけ出して解決していくという点です。それは、デザインと社会福祉の共通部分であり、福祉の課題をデザインの力で補える可能性を感じるところでもあります。

当事者の困りごとを知見として理解している素地をお持ちだからこそ、気付ける事も多いと感じます。

杉妻:そうですね。社会の仕組みとしての問題をしっかり把握するという点でも社会福祉の知識は活かされていると感じます。デザインも福祉と同様に、人を中心に考えるという事が最も重要です。またこれからは、新たな価値となるサービスやプロダクトを人や社会が持つ多様性からデザインしていきたいと考えています。今までのように、アクセシビリティなどの「アクセスできなかった人をアクセスできるようにする」というマイナスをゼロにする仕組みだけでなく、これからは多様な人や多様な暮らしの中にある課題をヒントに、視点を変えることでマイナスをプラスにしていくインクルーシブなデザインで新しい価値、多様な価値を作っていきたいです。

 

取材協力:
富士通株式会社
取材日:
2022年12月

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