トップページ 総務省実証実験について CEATEC JAPAN2002
ウェブヘルパー(テスト版)の展示ブース及びコンファレンス(セッション番号:CM-05)会場で配布しました、「ウェブアクセシビリティ実証実験とウェブヘルパーのご紹介」資料を公開しています。以下は、その資料内容のうちテキスト部分の抜粋です。
この資料は5章だてです。
みなさんのホームページは、高齢者や障害者も利用しています。
高齢者・障害者のインターネット利用は、年々広がっています。高齢者や障害者にとっても、ホームページは重要な情報源になりつつあります。特に障害者にとって、ホームページは社会との大切な接点になっています。また視覚障害者は、音声読み上げ等によりホームページを利用することで、入手できる情報が格段に広がりました。
ウェブアクセシビリティとは、こうしたホームページに関して、「ウェブを利用しているすべての人が、年齢や身体的条件に関係なく、ウェブで提供されている情報に問題なくアクセスし、利用できること」、つまりホームページにおける情報伝達の保証を意味しています。
ウェブアクセシビリティを確保するためには、機器やブラウザの改良も重要ですが、ウェブコンテンツ作成時の配慮が不可欠です。
高齢者や障害者がホームーページを利用する際には、利用者の身体条件によって、様々な問題が生じています。実際に提供されているホームページは、高齢者や障害者にとって非常に使いにくい、または使えない作りになっていることが少なくありません。以下は、その代表的な問題点の例です。
●全盲の人の場合
テキスト情報を音声化してくれる読み上げソフト等を使ってホームページを利用しています。画像に代替テキストが入っていないと、そこにどのような画像があるのかを知ることができません。全体が画像でできているホームページでは一切の情報が伝わらないことになります。
●弱視の人の場合
画面上の細かい文字の判読が困難です。文字情報が画像で提供されていると、ブラウザの機能等で拡大して読みとることが困難です。文字を拡大して情報を読みとろうとすると、画面全体のレイアウト構成が把握しづらくなります。
●色覚障害の人の場合
色の組み合わせが不適切に用いられていると、文字や図の判別ができなかったり、色を使ったナビゲーションが理解できない場合があります。
●聴覚障害の人の場合
音声付きのムービーでは、字幕やテキストによる解説がないと内容が十分把握できません。
●肢体不自由の人の場合
キーボードの方向キーや、スイッチという特殊な入力装置を使ってウェブを利用します。この場合、1ページに含まれるリンク数が多いと、目的のリンクに辿りつくまでに大変な労力と時間が必要になります。フラッシュなどのアニメーション中にあるリンクは選択できません。
●知的障害の人の場合
文字で提供された情報が十分に理解できないケースも想定し、ウェブで重要な情報を提供する場合、文字だけでなく、その内容をイラストにしたり、音声でも提供できるようにすることが望まれます。
●高齢者の場合
加齢に伴い、視覚・聴覚が変化するため、高齢者がホームページを利用する際には視覚障害者・聴覚障害者双方と共通の問題が発生します。複雑な操作の習得も負担となるため、画面上での説明や操作の分かりやすさも課題です。
身体条件等に応じた上記のような問題点の所在を、表形式に整理したものが下表です。×は情報の取得が困難なもの、△はコンテンツ側に一定の配慮がない場合情報の取得が困難になるものを示しています。
情報の種類など | 全盲 | 弱視 | 視覚障害 | 聴覚障害 | 肢体不自由 | 知的障害 | 高齢者 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
テキスト情報 | − | △ | − | − | △ | × | △ |
イラストなど | × | △ | △ | − | − | − | △ |
音声再生 | △ | − | − | × | △ | − | △ |
音声付きビデオ | × | × | − | × | △ | − | △ |
不適切な配色 | − | × | × | − | − | − | △ |
新語・難語 | △ | − | − | − | − | × | × |
小さな文字やリンク | − | × | − | − | × | × | × |
ウェブアクセシビリティ点検・修正システム「ウェブヘルパー」を利用して、誰でもホームページのアクセシビリティを点検できます。
みなさんのウェブコンテンツがアクセシブルかどうかを点検し、問題点をレポートしたり、修正のための手順を提供します。ウェブヘルパー(サーバ版)は、インターネット上に置かれたアプリケーション・サーバで動作しており、誰でも利用できます。WCAG1.0(注)に日本語の言語特性を踏まえた点検が可能です。(ただし現在は、CD−ROM版の開発に向けたウェブヘルパー(サーバ版)のテスト版を公開中ですが、テスト版のため点検項目が限られています。)
点検レポートでは、それがなぜ問題になるのか、どう直せばよいのかなどを具体例を挙げて分かりやすく解説しています。
(注)WCAG1.0は、ウェブ技術の標準化を推進する国際的な標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が1999年5月に勧告した、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0のことです。
ウェブヘルパーを使って以下の作業をしていただくことで、ホームページのアクセシビリティの向上が図れます。
ウェブヘルパーを使ったホームページの点検の手順は、以下のようになっています。利用マニュアルも参照してください。