みんなのウェブ 総務省実証実験について ウェブアクセシビリティ・セミナー2003のご報告
ウェブアクセシビリティ・セミナー2003(札幌/大阪/福岡)会場で配布しました、「ウェブアクセシビリティ実証実験とウェブヘルパーのご紹介」資料を公開しています。以下は、その資料内容のうちテキスト部分の抜粋です。
みなさんのホームページは、高齢者や障害者も利用しています。
ウェブアクセシビリティとは、「ウェブを利用しているすべての人が、年齢や身体的条件に関係なく、ウェブで提供されている情報に問題なくアクセスし、利用できること。」(情報伝達の保証)
機器やブラウザの改良も重要ですが、ウェブコンテンツ作成時の配慮が不可欠です。
高齢者や障害者がホームーページを利用する際には、利用者の身体条件によって、様々な問題が生じています。実際に提供されているホームページは、高齢者や障害者にとって非常に使いにくい、または使えない作りになっていることが少なくありません。以下は、その代表的な問題点の例です。
情報の種類など | 全盲 | 弱視 | 色覚障害 | 聴覚障害 | 肢体不自由 | 知的障害 | 高齢者 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
テキスト情報 | − | △ | − | − | △ | × | △ |
イラストなど | × | △ | △ | − | − | − | △ |
音声再生 | △ | − | − | × | △ | − | △ |
音声付きビデオ | × | × | − | × | △ | − | △ |
不適切な配色 | − | × | × | − | − | − | △ |
新語・難語 | △ | − | − | − | − | × | × |
小さな文字やリンク | − | × | − | − | × | × | × |
ウェブアクセシビリティの重要なコンセプトは、「情報伝達の保証」をすることです。ウェブアクセシビリティを確保するには、ガイドラインに従ってホームページを作ることが大切です。
「アクセシビリティの高いウェブを作るには、テキストだけを使い、画像や映像を使わないことを、ガイドラインは奨めている」という誤解があります。正しくは、ガイドラインは画像やマルチメディアファイルを使っても、より多くの利用者が情報を得られるようにする制作方法を示しています。
ウェブアクセシビリティは、高齢者・障害者からのアクセスに対しても、健常者と同等の、『情報伝達の保証』を行うことです。代替手段の提供は、ウェブアクセシビリティの基本です。情報伝達が保証されるような代替情報を提供しましょう。
以下のポイントに気をつけて、アクセシビリティを確保しましょう。「1」の入門レベルから「4」の達人レベルまでのレベルがあります。
ウェブアクセシビリティ点検・修正システム「ウェブヘルパー」を利用して、誰でもホームページのアクセシビリティを点検できます。
みなさんのウェブコンテンツがアクセシブルかどうかを点検し、問題点をレポートしたり、修正のための手順を提供します。ウェブヘルパー(サーバ版)は、インターネット上に置かれたアプリケーション・サーバで動作しており、誰でも利用できます。WCAG1.0(注)に日本語の言語特性を踏まえた点検が可能です。(現在、CD-ROM版の開発に向けたウェブヘルパー(サーバ版)のテスト版を公開中ですが、テスト版のため点検項目が限られています。)
点検レポートでは、それがなぜ問題になるのか、どう直せばよいのかなどを具体例を挙げて分かりやすく解説しています。
(注)WCAG1.0は、ウェブ技術の標準化を推進する国際的な標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が1999年5月に勧告した、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0のことです。
ウェブヘルパーを使って以下の作業をしていただくことで、ホームページのアクセシビリティの向上が図れます。
ウェブヘルパーを使ったホームページの点検の手順は、以下のようになっています。詳しくは、実証実験ホームページ「みんなのウェブ」に掲載している「利用マニュアル」をご参照ください。
平成14年度の重点的取り組みテーマの一つとして、セミナー等の開催により高まったウェブアクセシビリティへの関心を定着させ、一層の認知と普及を進めるために「アクセシブルサイト・コンテスト」を実施します。
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