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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者の現状と課題 > 横浜市立盲学校のICT(情報通信技術)教育の取り組み

横浜市立盲学校のICT(情報通信技術)教育の取り組み(1/6)

1. コンピュータを利用した情報学習はどのような形で行われていますか?

横浜市盲学校は、創設118年の歴史がある学校で、幼児教育、小・中学部(義務教育)、高等教育のほか、高等部専攻科ではあん摩・はり、きゅうマッサージなどの国家試験取得をめざした職業教育も行っています。現在、0歳児から中途失明された高齢者まで、100名以上が在籍しています。

従来、全盲視覚障害者の情報伝達手段は点字でしたが、近年のコンピュータなど情報機器の進歩によって学習や生活のためのさらなる情報量の確保を図ることが可能になってきました。特にコンピュータの画面を音声で読み上げるソフトウェア(スクリーンリーダー)は、視覚障害を大きく補う情報支援ツールとなっています。当校では、コンピュータを積極的に活用することが必要だと考え、1999年に学校全体の総意でコンピュータ、特にインターネットを有効に活用する環境を整えるために、コンピュータ教室だけでなく、一般教室や学校図書館などにコンピュータを置いて校内にネットワークシステムを組み、全学年で情報教育に取り組んでいます。

視覚障害者がコンピュータを使えるようになることは、学習や情報収集のためだけでなく、将来の社会的自立に向けても必要です。さらに最新のコミュニケーションツールを活用して、場所や時間を超えて情報をやりとりすることもできます。これらを授業に取り入れることは、生徒たちに「生きる力」を育てるという意味でも意義が大きい取り組みだと考えています。

各学部で行われている取り組みについては、毎年プログラムは少しずつ変わりますが、幼児教育の現場では、まずはコンピュータの画面や音に慣れることを目標に、お絵かきやゲームなどを通してコンピュータを使って楽しく遊ばせています。小学部では簡単なキー操作で漢字のへんやつくり、書き順などの学習をしたり、音楽を聴いたり、インターネットを使った授業も行っています。

中学部では、情報を適切に扱う能力を身につけるために、コンピュータの基本操作、文字の入力、キーボードの配列、ローマ字入力、漢字入力、6点入力、ブラウザの使い方、点字編集ソフトウェアを使ってのネット検索、調べ学習、メールの送受信などを学びます。高等部では、教科情報の授業を中心に情報を活用するための知識と技能の習得を通じて、情報に関する見方や考え方を養うだけでなく、情報化の進展に対応できる能力を育てることなどを目標に、コミュニケーションツールやIT技術を活用して、さまざまな取り組みが行われています。英語では他校とのメール交流、保健体育ではWeb検索で資料を集める、エクセルで学級日誌をつける、情報の授業では、フルキー操作、デジカメを使った動画編集など、各教科でコンピュータが利用されています。

高等部専攻科では、国家試験に向けた医療の学習、辞書などの利用、OCRの利用、電子カルテカルテ、プレゼンテーション、実務のワープロや表計算などを学習しています。教科書は最近電子化されたものを利用しています。

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