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横浜市立盲学校のICT(情報通信技術)教育の取り組み(2/6)

2. 校内のイントラネット構築と図書館情報化について

当校では、2000年に全国学校図書館研究発表会場になったことをきっかけにして、校内にイントラネットを構築し、情報収集、校内掲示板、情報の共有などに活用しています。また、メール、チャットなどを使って、生徒、教師の相互コミュニケーションの充実を図っています。さらに「いつでもどこでも図書館」をスローガンに、校内のどの教室からもネット検索、図書の蔵書検索ができるよう、ボランティアの協力を得ながら、校内の図書館情報化を進めてきました。点訳図書やCD、マルチメディア教材、辞書などの共同利用が可能になりました。資料の所蔵確認は、各教室にある校内ネットワークの端末を使って検索できます。さらに必要なときにデジタルデータを校内ネットワークを通じて音声で聴いたり、点字ディスプレーで触読したり、点字プリンタでプリントアウトしたりできるようにしようと、校内電子図書館化構想も進めています。

図書の貸し出しには、音声対応の図書館蔵書管理システム(図書館情報BOX)を導入し、生徒たちが自分で図書の貸し出しができるようにしました。バーコードを機械が読み取ると、本人が借りられる冊数などを読み上げてくれる音声システムが入っています。

音声システムを説明した写真
※「図書館情報BOX」。バーコードを読み取ると、貸し出し情報を音声で読み上げる  教育システム http://www.gakkou.jp/

毎年出版される書籍は500万冊を超えるといわれていますが、国レベルで進められている視覚障害情報ネットワークのデータベースには30万件のデータが蓄積されているに過ぎません。点字の図書1冊の完成までには、点訳、製本と多くの方がかかわって3ヵ月ほどかかるので、新刊の雑誌などの新しい情報はすぐには手に入りませんし、圧倒的に情報不足です。

しかし最近では、本やマニュアルが電子化されるようになり、図書メディアも大きく変わってきています。最近は点字を読めない糖尿病が原因の方や高齢になってからの視覚障害が増えているため、録音図書などは情報収集の上で有効な手立てとなってきています。

当校の図書館では、墨字図書(一般図書、雑誌、新聞、拡大写本等)、点字図書録音図書(カセット、絵本CD)などを中心に約15,000冊の蔵書があります。最近進めているのが、図書のデジタル化です。学校で購入している本を、ボランティアが音読した録音図書を国際規格のデジタル録音図書デイジー(DAISY/Degital Accessible Information System/デジタルアクセシブルインフォメーションシステム)の編集機でCDデジタル化しています。図書館法の範囲内で自校でのデイジー図書作成も実施しています。

デイジー図書は、CD1枚に50時間から100時間、カセット50本分が収録でき、読みたい部分の頭出しがどこでもできるという便利なものです。デンマークで知的障害のある大人の方向けに作ったものが始まりで、視覚障害者の個人の権利の範囲で、個人で読みたい書籍などをデイジー図書化することもお手伝いしています。

指の反応が鈍くなっていて点字の図書が読めない高齢の方などには、これらの録音図書が役立つはずです。これからの読書の軸になってきています。

最近はユニバーサルデザイン出版(大きな字の本やCD付き)なども出てきており、これらは視覚障害者ばかりでなく、晴眼者の方にも便利だと思います。

新型の拡大読書機の写真
※新型の拡大読書機。CCDカメラが文字を読み取り、液晶の画面に表示する

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