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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者の現状と課題 > 高齢者にICTの有用性を伝えるのは誰? 〜高齢者と情報通信における現状と課題〜

高齢者にICTの有用性を伝えるのは誰?
〜高齢者と情報通信における現状と課題〜(3/11)

3. 情報格差解消策はあるのか?

日本では、世代間の情報格差解消にむけた対策には企業も行政も地域社会も熱心とはいえない。筆者も参加した国際デジタル・ディバイド会議(主催:韓国情報通信部、2005年ソウル市)で米国のNPO「シニアネット」のファボス事務局長は、米国の高齢者のインターネット利用者は2割程度であるにもかかわらず、普及支援策もないと米政府を批判していた。日米ともにインターネットを使うかどうかは個人の自由という空気なのだ。

韓国情報通信部のホン氏によると、韓国ではIT産業が急成長した結果、デジタル・ディバイド問題が深刻になってきたという。「ネットは単に使えないと不便な道具ではなく、経済的な不利益であり、政治的参加機会の制限など基本的権利に関わる生活の必需品」として国民に理解されていると語っていた。全国規模で高齢者や障害者むけの無料パソコン教室が開催され、若者たちのパソコンボランティア活動への参加を政府が奨励している。

日本では、まだ韓国ほどの切迫感はないため、多くの高齢者がネットの恩恵から取り残されていることは事実である。一方で、使わなければネットによるトラブルや犯罪に、高齢者が巻き込まれるような事態を回避できているという見方もできる。判断力の低下した高齢者の運転する車による事故が社会問題になっていることを思えば、高齢者にネットを利用させるのは不安という意見があるのもわからなくもないが、適切な学習機会もなく、その利便性を理解する場もなく、使えないまま長い老後を生きるのはもったいない。結果として経済力の高い高齢者層がネットワーク社会に参加できず機器やサービスも売れないのだ。
そこで、老テク研究会のようなおせっかいな集団がIT企業や自治体と連携してパソコンボランティア支援などを行っているわけである。

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