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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者の現状と課題 > 高齢者にICTの有用性を伝えるのは誰? 〜高齢者と情報通信における現状と課題〜

高齢者にICTの有用性を伝えるのは誰?
〜高齢者と情報通信における現状と課題〜(6/11)

6. 高齢者がICTを使えなくて困るのは誰?

最近ではパソコン教室や携帯電話教室に参加する人たちのきっかけは「近所の友人から誘われたから」というものが多い。それは、現在ネットを使っている仲間たちにすれば、自分達が使っている便利なコミュニケーションの道具を、仲間全員が使えるようになって欲しい、ネットで情報を共有したい、という強い要望があるからだ。

地域の福祉活動や町内会などで活躍するボランティアたちは、相互連絡や情報共有にパソコンや携帯電話を活用している。地域活動のリーダーとなる人は高齢者が多い。リーダー以外は全員ネットやメールで情報共有ができ、連絡がとれても、リーダーだけがネットを使えないということは珍しくない。町内会や自治会の幹部も高齢者が多い。ネットを活用できれば地域の行事や福祉活動においてスタッフとの情報共有や、災害時の防災・緊急通報などに強力な情報伝達の道具となる。しかし幹部が使えない情報システムは使われることはない。もしくは情報システムを使えないリーダーは、大規模災害時にはリーダーとしての役割を果たすことができない。近所とはいえ、直接回覧板を手渡すために訪問したり、何十枚ものファクスを送る手間は膨大である。役員のなり手が少ないのはこうした雑事や情報伝達だけのための会合が多すぎるからである。ウェブサイトに情報を蓄積しておき、逐次同報メールを使えれば平日の会合には参加しにくい、働いている若い人たちも町内会や自治会に参加できる。高齢者がネットを使えないと不便だと感じているのは本人ではなく、むしろネットを活用している周囲の若い仲間や子供、孫達なのだ。

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