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現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者の現状と課題 > 柔道の再開が自信を取り戻すきっかけ

柔道の再開が自信を取り戻すきっかけになりました
〜障害者柔道家・初瀬勇輔さん〜(5/5)

5. 今後の目標を教えてください

まずは、次のロンドンパラリンピックに出場すること。それがアスリートとしての一番の目標です。そのためには、近々開催されるトルコの世界選手権や、来年のアジアパラリンピックでいい成績を残したいですね。現在は、寝技強化のためにブラジリアン柔術を学んだり、筋力アップのためのトレーニングをしたり、大学の柔道部や後輩の道場に通ったりしながら、練習を積み重ねています。

ただ私にとっての柔道とは、人生の全てというわけではなく、あくまで仕事が一番でありたいと思っているんです。仕事を持たずに毎日柔道の練習を続けるのは、たやすいことです。でも、まずは社会人としての自分が基本にあるべきだと思っていますし、その上で努力は惜しまず、できる練習は手を抜かずにやっていきたい。

今後の仕事の目標は、障害を持つ方の職域拡大の支援です。以前は目が悪い人の仕事といえば、針灸やマッサージがほとんどでした。実際に自分のまわりの視覚障害の方も、免許を取って開業したり、盲学校の先生になられている方が非常に多く、一般企業に就職されている方はまだ少数です。その門戸を開く、突破口になるようなことができないだろうかと。漠然とではありますが、今の仕事の先には、そういう未来があるのではないかと思っています。

最後に。もしも障害をお持ちの方で、障害者スポーツに興味のある方がいるならば、勇気を出してまず一度参加してみてください。今はインターネット等ですぐにいろいろな情報が調べられますし、必ず各都道府県や地域の団体があるはずです。

スポーツに参加をすることで、得るものはとても大きいです。特に障害のある方は、まわりから話しかけにくいという印象を持たれがちですし、自分もそうでしたが、外に出ていくことに不安を覚えてしまうこともしばしばです。でも、一緒にスポーツをする仲間ができれば、そこに友情も生まれますし、健常者との壁も感じなくなる。

障害者スポーツはまだ人口が少ないので、本当に頑張れば自分が代表になれる可能性があります。せっかくこんなにいいものがあるのだから、もっといろいろな人に参加していただきたいですね。そして、スポーツを通して障害者が社会参加をしていくことで、障害者がいる風景というのが自然に日常に溶け込んでくる。そうすれば、少しずつ、社会自体も変わってくるのではないかと思うのです。

取材日:
2009年12月9日
取材協力:
サンクステンプ株式会社 オフィスサービス本部 初瀬勇輔さん
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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