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夢はいつだって自分の手の中にある
〜ボディーボードインストラクター・YUMIEさん〜(2/5)

2.世界の大会に出場して

プロボディーボーダーとして活動していたときには、国内だけではなく、海外の大会にも数多く参加させていただきました。海外のボディーボード選手の中には、私のように耳の悪い人もたくさんいますし、WDSA(聴覚障害者の男女混合世界選手権)のような世界大会も開かれています。

現役時代を振り返って、特に印象に残っているのは、やはりハワイのパイプライン(※)です。毎年チャレンジしていたのですが、本当に波が大きくて怖い。そういう波に向かっているときには、自分にハンデキャップがあるとかないとかは、全く関係なくなります。みんなと同じように頑張って、同じように波に乗る、それが嬉しかったです。

もちろん、耳が悪いことで不便なこともいろいろありました。例えば、「今の選手は何ポイントです」などのDJによる実況が聞こえないので、海の上での駆け引きができなかったり、天候や波の状況で会場が変更になった場合、それらを確認するのに苦労したり。

あと、試合で最も大切な部分では、スタートのホーンが聞こえないこと。スタートは旗でも合図してくれるのですが、普通、選手はずっとホーンだけを聞いていて、向こうからやってくる波を見ています。でも、私一人だけ逆を向いて旗を見ていなければならないので、どうしても遅れがちになるし、逆にホーンが鳴っていないのに先に出てしまったら、失格になってしまう。そういうところには、とても気を使いました。

それでも、大会を通じて世界中のいろいろな人たちと出会うことができたのは、楽しかったです。そこでいつも感じたのは、海外の人たちは、自分の耳が聞こえないことをネガティブにとらえていないということ。とても堂々としているんです。そしてまわりの人たちも、私が聞こえないということに対して妥協せず、何回でも言ってくれる。「唇を触れ」、「ほっぺたを触れ」と言って、口の動きを覚えさせてもらえました。そうこうしていくうちに、高校生の頃に諦めた英語も、もしかしたら習得できるのではないかと思えてきたんです。そういう意味でも、海外に出ることができて、本当によかったと思っています。

(※)「パイプライン」は、ハワイ・オアフ島ノースショワにあるサーフポイント。難易度が高く、サーファーの聖地とされている。

YUNIEさんの写真
※写真2 現在は引退し、講演活動などを行っている

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