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立体コピーシステムは、視覚障がい者の方への情報伝達をサポートする
コミュニケーションツールです(4/6)

4. コミュニケーションツールとしての活用について

立体コピーは、美術や書道、写真などアートの分野にも利用が広がっています。

2007年度は、現代日本画の展覧会、「遠き道展−はて無き精進の道程」では、視覚障がいのある方々に美術鑑賞を楽しんでいただくために、触ってわかる展示会用のポスターや観賞用の資料などを作成しました。

会場では、絵を元に描かれたものの輪郭をデジタル処理して立体コピーにかけ、構図を触って鑑賞していただくワークショップなどが行なわれています。この展覧会は2010年初めまで日本各地を巡回し、開催される予定です。

「遠き道展−はて無き精進の道程」のサイト
https://www.museum.or.jp/modules/im_event/?controller=event_dtl&input[id]=49582

また視覚障がいのある方がご自分で撮った写真を鑑賞するために立体コピーが使われることもあります。ただし、写真の場合、人物を撮影しても背景が写りこんでいて、立体化しても輪郭がはっきりしないことも多く、どういう写真であるかをわかるようにするのはむずかしいことが多いようです。そのため人が介在して輪郭をとってあげる作業が必要になります。

2008年には、せたがや文化財団の事業の一環として、東京都立久我山盲学校の生徒さんたちがデジタルカメラで撮影した写真データを、デザイナーの方がPhotoshopなどの写真用ソフトで輪郭だけを切り出し、一部は線画にして立体コピーにかけて鑑賞するワークショップが行なわれました。その作品の展示とワークショップ「ふれる写真展」が2009年2月に東京の世田谷で開催されました。

写真を撮った人は、輪郭をとって校正をする人や出力してくれる人と、「こんな感じに撮れている」などとコミュニケーションをとることによって、どんな写真が撮れているのかを触って感じることができます。

絵や写真を100パーセント理解するのは難しいわけですが、立体コピーは写真を撮る方とサポートする方とのコミュニケーションツールとして使っていただいているようです。

工夫次第でさまざまな活用をしていただけると思います。

このシステムを利用して視覚障がいのある方たちが書道を習う教室もあり、先生が書かれたお手本と生徒さんが書いたものを立体コピーにかけて、生徒さんが両方を触って確認するために利用されているようです。

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