サイトマップ - ヘルプ - お問い合わせ
 
 
現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者支援サービス・取組 > 重度障害の生徒にICTで知る楽しさを伝えたい〜小松瀬領特別支援学校〜 (3/4)

重度障害の生徒にICTで知る楽しさを伝えたい〜小松瀬領特別支援学校〜

3 ストレスのため手を振り回す生徒とのコミュニケーションに活用

スマートフォンの活用効果で一番印象に残っているのは、大きな声を出したり、手を振り回したりすることがあり、集団に参加できなかった生徒A君のことです。自分の思いが伝わらないことは、健常者が考えている以上にストレスが溜まります。そのため、暴れているように捉えられるケースも少なくありません。A君も自閉的な傾向が強く、周囲と馴染めませんでした。まずは、ストレスではなく心地良い感覚を優位にしたいと考え、好きな童謡のリストをiPhoneで作成し、ループして流すようにしました。

すると自分でボタンを押したり、私の手を触って再生を促したりと、これまでのコミュニケーションには見られなかった明らかな変化がありました。それから童謡を聴くと全身で喜びを表すようになり、上記の行動は、まったくなくなりました。これがCDだと、聴ける場所も音楽のバリエーションも限られてしまいます。いつでもどこでも、音楽再生ソフトさえインストールしておけば聴けるのも、ICTの良さと言えるのではないでしょうか。

通常なら「音楽の授業ではないのに音楽を聴くのはいかがなものか」と怪訝に思われる人もいるかもしれません。しかし、このように生徒が学校や集団にストレスなく馴染むため、そして合理的配慮としてICTを導入して工夫をすることも必要だと思います。生徒ごとにICTをカスタマイズすることで、「君は音楽を聴いていいよ。でも友だちと同じ場にいようね」と認めていることにもなるはずです。

実際に生徒がタブレットを使用している様子
  実際に生徒がタブレットを使用している様子

ページの先頭に戻る

前へ 目次へ 次へ