すでに述べたように、全盲のユーザーは「スクリーンリーダー」と呼ばれるパソコンなどの画面を音に変えて出力するソフトウェアを用います。
たとえば、 Windowsのスタートメニューを開くと、「スタートメニューの選択、インターネット、電子メール・・・」などという具合に、メニュー表示を音声で読み上げるのです。現在、数社から日本語対応スクリーンリーダーが発売されています。もちろん、マウスポインターの位置を確認することができませんから、マウスは使用せずコンピュータの機能をキーボードだけを使って操作します。Windowsメニューの場合だと、「Windowsキー」を押して表示することになります。
ワードプロセッサなどを使って文書を作るときには、漢字変換の候補やその結果も確認することができます。一般には「詳細読み」と呼ばれる機能ですが、この画面の例だと「通信」は「通行の通、トオル、信頼の信、ノブ」、「痛心」は「苦痛の痛、イタイ、心労の心、ココロ」と読み上げるので、同音異義語でも漢字を間違えずに変換することが可能です。
ウェブブラウザを使うときには、スクリーンリーダーの機能を使うか、専用の「音声ブラウザ」と呼ばれているソフトウェアを使います。最近ではスクリーンリーダーの機能が充実してきたので、ウェブブラウザを使うときにもスクリーンリーダーをそのまま使う人が増えています。しかし、まだパソコン全体の操作に不慣れな初心者の中には音声ブラウザを使う人たちもいます。
また、いつもはスクリーンリーダーを使っていても、音声ブラウザがウェブページの閲覧に特化した様々な機能を持っているため、愛用する人たちもまだまだたくさんいるようです。もちろん、電子メールにもまったく同様にスクリーンリーダーを用います。
最近では、携帯電話などでもスクリーンリーダーの機能を搭載した機種が発売されているため、携帯メールや携帯ウェブも音声で操作、閲覧できるようになりました。
このように、パソコンなどの操作は音声を使っておこなわれますが、音声の代わりに「点字ディスプレイ」を使う場合もあります。点字ディスプレイは音声の場合と同じように、画面上の文字を点字に変換して表示する出力装置で、おおむね20桁から80桁程度の表示が可能です。
たとえば、プログラムの開発などといった1文字でも誤りがあると困ったことが起きるような情報を扱うときには、点字ディスプレイが好まれます。全盲者の共通した意見では、音声のほうが気軽に扱えるし楽だが、しかし落ち着いて読みたい、厳密に情報を処理したいときなどには点字が使われるようです。
また、点字ディスプレイは使わないかわりに点字印刷することもあるようです。ただし、点字を読み取れる視覚障害者は10%程度といわれていますので、比率としては非常に少なく、また点字を読み取れる人の割合は高齢化に伴って低下傾向を示しているとの報告もあります。
下の写真は、ALVA Access Group, Inc の ALVA 570 Satellite Pro という点字ディスプレイです。80桁表示できるので、仕事の現場で使われます。国内では、ケージーエスのブレイルノート46D(46桁)などがあります。点字ディスプレイは、音声も使えない盲聾者の情報アクセスには不可欠です。
ALVA 570 Satellite Pro 点字ディスプレイ |
ブレイルノート46D 点字ディスプレイ |
以下は、このページの奥付です
原本作成日: 2005年12月20日; 更新日: 2019年8月6日;