視覚障害のいくつかのパターンについて、その特徴と、対応策、支援技術について見てきました。どの方法にも、まだ制約があり完全ではないことも理解していただけたのではないかと思います。
しかし、ここで説明してきた障害の特徴と支援技術のバリエーションを頭に入れておけば、最低限の情報アクセスを確保することは可能になるでしょう。特に大事なことは、視覚障害者がどのようなソフトウェアや機器をどのように使っているか、またどういった操作を好んでおこなっているかを理解するということに尽きるでしょう。
一般の製品やサービスを開発する場合に、ユーザーのニーズ、評価から出発するものづくりの考え方である「人間中心設計」という方法が広く知られるようになってきましたが、障害のある人の情報アクセスを考える上でもこの人間中心の考え方が大事なのではないでしょうか。
国学院大学経済学部兼任講師 梅垣正宏氏
「日本規格協会ウェブアクセシビリティ国際規格調査研究部会、副主査」を務めるなど、ウェブアクセシビリティの分野で活躍。
著書に「障害者と家族のためのインターネット入門」ほか。
以下は、このページの奥付です
原本作成日: 2005年12月20日; 更新日: 2019年8月6日;