現在、実践女子短期大学の生活福祉学科で、聴覚障害やバリアフリー・コミュニケーション、ユニバーサルデザインの考え方についての講義を受け持っています。すぐに使える手話を教えているのですが、はじめは聞こえない人は話せないとか、障害者は大変、かわいそうなどという固定観念を持っている学生が多くいました。しかし、講義を受け、聞こえない私と接していく中で、結局コミュニケーションというのは聞こえる、聞こえないという問題ではなく、人としていかに対等に向き合い、受け入れられるか、相手を思うことができるかが大切なのだと理解してくれているように思います。
写真2 大学の講義で使っている手作りの資料
仕事の一つで、講演活動も行なっておりますが、パワーポイントソフトを使って、分かりやすく伝えることを心がけています。聞こえない人を対象とするときには、手話がわからない難聴者もいるので、話の内容をすべて文字化し、要約筆記のように見せることもあります。自分が聞こえなくなってから、コミュニケーションのバリアを一番感じていましたから、できるだけ多くの人にわかりやすく伝えたいという気持ちが強いのだと思います。
聞こえない人とコミュニケーションするときのポイントを簡単にあげてみます。
バリアというものは、ハード面のバリアはもちろんありますが、ソフト面のバリアは人の中にあるもの、自分で作ってしまうものだと思います。
自分で「ここまで」と思えばそこで壁ができてしまいますが、思わなければどこまでも、なんでもできそうな気がしませんか?
いらないバリアは作らなければいい。単純なことですが、それがなかなかできないからみんな悩むのだと思います。一歩踏み出すことに躊躇してしまうのでしょう。
でも、伝えたいと思う気持ちは必ず相手に伝わります。その気持ちにチャレンジしていけば温かなコミュニケーションができると思います。
※写真3 松森さんの著書
「ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーション」(小学館)
※写真4
「星の音が聴こえますか」(筑摩書房)
※写真5 「ユニバーサル手話シリーズ1
0歳からの手話」(UDジャパン)
※写真6
以下は、このページの奥付です
原本作成日: 2009年2月9日; 更新日: 2019年8月19日;