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障害者向け地図・福祉地図 (7/7)

7. 情報バリアフリーについてどういう展開が理想だと思いますか?

優先すべきことは使いやすさ

見た目のデザインや、健常者の利便性しか考えていないIT機器やソフトウエアがまだまだ多くあります。今、正直なところデザイナーに対して憤りに近いものを感じています。例えば、自動車も、昔は方向指示器は黄色でライトの外側についていました。それが今、方向指示器をライトの内側につけています。高齢者は目が白濁してきて視界がにじみます。すると方向指示器が見えないのです。明るい光の間に光る指示器があると見えにくくなります。そういう大事なことを分からずにデザインしていることも多いです。デザイン優先で、高齢者、障害者、人間の使いやすさを考えていないことが目立ちます。本当のユニバーサルデザインは、使いやすくて、安全で分かりやすくというのがまず優先されるべきであって、その上でデザイン性を争うべきでしょう。

設計者やデザイナーが、情報バリアフリーに対して理解を深めることが大切だと思います。教育の現場でももっと取り上げてほしいテーマです。障害者が便利なら、健常者にも便利であることを多くの人に気がついてほしいですね。

日本の意識は遅れている

同じようにソフトウエアでも、マウス1つで使うのが簡単だから、それしか機能として付けないことがあります。マウスを使わないと操作できないソフトは山ほどあります。そうすると視覚障害者の方は使えません。スクリーンリーダーを使ってキーボードでの操作をしていると、マウスを使用しないとボタンを実行できないということがよくあります。パソコンを使うからには、マウスでも使えるし、キーボードだけでも使えるという形にしないといけません。障害者向けに特化しなくても、私たちは当然そういう感覚でモノをつくりますから、バリアフリーに対応してくるのです。健常者のことしか頭になくて、視覚障害者の方が使えないようなソフトはなくしたいと思います。

特に日本のデザイナーは意識が低いかもしれません。米国の有名なソフト会社でも日本で独自に追加した機能は、マウスが無ければ使えないという問題が起こります。アメリカで作ったものをそのまま日本語に変えたものは、ほとんどそういう問題は起こりません。いかに日本のデザイナーがそういうセンスがないかということなんです。厳しいかもしれませんが、私たちもプロだからこそ感じます。

アメリカは法律があって、ユニバーサルデザインのチェックを満たしたものしか政府に納入できないのです。日本ではそういう制度がありませんから、マウスでしか使えないものでも立派に製品として成り立ってしまいます。日本でもいずれ法制化されそうですが、早くそうあるべきではないかと思います。

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取材日:
平成18年2月8日
取材協力:
株式会社インフォメーションヒーローズ
代表取締役 薄井信夫さん(写真向かって右)
ユニバーサルデザイン企画室室長 村山慎二郎さん(写真向かって左)
お二人の写真
仕事   障害者の方のよりよい生活のためのお手伝い
資格   福祉住環境コーディネータ 2級 (村山慎二郎さん)
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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