不便だという声(各種製品・サービスへの不便さ)を、解決することがわれわれの活動の一番の目的です。その手段として、不便さの声を製品・サービスへのニーズに置き換え規格に反映させる作業を行なっています。E&Cプロジェクトは、1999年に研究会から公益法人、財団法人 共用品推進機構となりました。
1996年から1997年にかけて、世界では共用品についてどのような取り組みが行われているのかを調査してみると、その当時海外ではほとんどないことがわかりました。そこで、一般製品やサービス、生活環境について障害のある人たちも共に使いやすくするためのガイドライン作りを国際標準化機構(ISO)へ提案しました。ISOには約160カ国が参加しています。提案は全会一致で可決され、日本が議長国となり、3年間かけてISO/IECガイド71を作成しました。これは、規格作成者に向けた、高齢者・障害のある人へ配慮した設計指針です。ISO/IECガイド71には、障害のある人たちに不便さ調査をした中から生まれた製品やサービスへの配慮事項が数多く入っています。2003年には日本工業規格(JIS Z 8071)として制定されました。それを元に2008年2月までに27種類の「高齢者・障害者設計指針の日本工業規格(JIS)が出されています。
ここで決められた規格は私たちの身の回りの製品にすでに取り入れられています。たとえば、冷蔵庫を閉め忘れたときに鳴る報知音の周波数や音圧は、高齢者が聞きやすいよう、雑音の中でも聞きやすいように考えられています。
「ユニバーサルデザイン」と「アクセシブルデザイン」はどう違うのでしょうか?
実は同じような製品も多いのですが、考え方が少し違います。ユニバーサルデザインは、アクセシブルデザインを含むものです。ユニバーサルデザインについて、基本規格のISO/IECガイド71(JIS Z 8071:2003)では、「特別な改造や特殊な設計をせずに、すべての人が可能な限り最大限まで利用できるように配慮された、製品や環境の設計のことを言う」としています。一方、アクセシブルデザインは、不便さを使いやすい製品やサービスに変えていくという考え方です。
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原本作成日: 2008年7月14日; 更新日: 2019年8月20日;