当研究室では、定量性と再現性に極めて優れたショウジョウバエ胚神経筋シナプスをモデルとして明らかにしたことを、中枢のフィーディング・ニューロンにおいてさらにテストすることで、シナプス可塑性と記憶を結びつけるという戦略で研究を行っている(図1)。記憶はいまだ謎の多い現象であるからこそ、(1)基礎的なシナプス伝達の生理学に基づき、(2)シナプスの発達、(3)シナプス可塑性、そして(4)記憶へと、一歩一歩堅実な実験技術を開発しながら進めている。以下に、これら4つのアプローチについて紹介する(研究の背景については新着論文レビューを参照)。

(1)シナプス伝達の機構
2)シナプスの発達
(3)シナプスの可塑性 (ショウジョウバエ胚シナプスの生理学)
4)フィーディング・ニューロン上のシナプス変化として記憶形成を見る

1. 神経筋シナプス vs フィーディング・ニューロン