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研究所長
和田 尚也
Wada Naoya -
ご挨拶
~ 従来の概念を超えたイノベーションの創出と育成 ~
NICTでは、観る、繋ぐ、創る、守る、拓く、の5つ言葉とそれぞれ紐付けられた5分野において研究開発を実施しています。各分野の研究主体となるのが5つの研究所です。“情報通信の新しい地平を「拓く」”をその理念とし据える未来ICT研究所は、この5研究所中でも特に先端的・基礎的な研究テーマを実施します。
2021年4月からの第5期中長期計画を開始しました。前中長期計画までは「フロンティア研究分野」でしたが、今中長期計画からは「フロンティアサイエンス研究分野」となり“サイエンス”が加わりました。これは、未来を拓くために、“これまで以上に高度な学術的知見”に裏付けされた、先端的・基礎的な研究開発を実施することへの期待と捉えています。不毛にも見える辺境(Frontier)の大地を、失敗を恐れず、科学(Science)という鍬で開拓し、「未来を拓く」のがその役割であると考えています。
また、これまでの神戸と小金井の研究室・センターに、吹田の脳情報通信融合研究センター(CiNet)が加わりました。これにより未来ICT研究所はNICT内で最大規模の研究所になり、そのカバーする研究領域も広くなりました。私ども未来ICT研究所は、従来の概念を超えたイノベーションの創出と育成に取り組んでまいります。
Publications
刊行物
Fellow
NICTフェローについて
NICTフェローの称号は、NICT職員の中から、NICTにおける職務として行った研究開発やその成果の普及において特に顕著な功績があると認められる者のうちから選考により授与されるもので、2009年に開始され、これまで7名に授与されております。 未来ICT研究所にはNICTフェローの称号を授与された者が4名おり、そのうち2名が現在も同研究所で研究活動を続けています。
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主管研究員 大岩 和弘
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主管研究員 大岩 和弘
郵政省通信総合研究所(当時)に入所後、分子素子として優れた特性を持つタンパク質モータの構造と運動機構に関する生物物理学的研究を一貫して行ってきました。特にダイニンの構造と機能の解析を物理学的視点から進め、この分野の発展に貢献してきました。必要最少限の構成要素を用いて、タンパク質モータの機能を試験管内で再構築し、その解析を行う「in vitro 再構成実験系」と、一つのタンパク質モータ分子を捕捉して、その力学・酵素特性を計測する「単一分子計測手法」の開発やその発展にも貢献し、機能解析に構造解析手法を組み合わせることで、分子素子の構造から機能まで幅広く解析を進めてきました。その成果は、Nature誌をはじめとした国際一流学術誌に多数の論文として発表してきました。また、これらの成果の重要性が認められ、2005年の第23回大阪科学賞を受賞しています。さらに、タンパク質モータを新奇機能素材としてとらえて、センサーや超小型駆動装置などへの工学的応用を意識した領域融合的研究を進め、タンパク質モータ研究分野の新しい展開を試みており、2020年には、科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を共同受賞しました。分子通信や自然知という情報通信の新概念を提唱することで、世界的な新しい潮流を生み出そうとしています。
略歴
- 1993年
- 郵政省通信総合研究所入所
- 2008年
- 未来ICT研究センター長
- 2011年
- 未来ICT研究所長
- 2013年
- NICT Fellow
- 2021年
- 脳情報通信融合研究センター 副センター長 現在に至る
兵庫県立大学連携大学院教授 理学博士
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脳情報通信融合研究センター(CiNet)
R&Dアドバイザー
柳田 敏雄 -
脳情報通信融合研究センター(CiNet)
R&Dアドバイザー
柳田 敏雄タンパク質モータ単一分子の運動機能を、空間分解能ナノメートルレベル、時間分解能ミリ秒レベル、さらに力検出ピコニュートンレベルというきわめて高い精度で観察・操作・計測する技術を確立して、生体分子は熱揺らぎを有効に利用して省エネで高効率なエネルギー変換を行うとする「ゆらぎ原理」を確立しました。この「ゆらぎ原理」は、正確さを犠牲にして、省エネで柔軟に自律的に働くメカニズムを獲得した生物の特性であり、タンパク質分子によって駆動されているあらゆる階層の生命活動に適用できることを分子・細胞・脳機能研究を通して明らかにしました。1998年には、「情報通信ブレークスルー基礎研究21」の結集型研究でリーダーとなり、未来ICT研究所の脳機能グループを牽引しました。以来、脳科学と情報科学を融合させた新しい研究分野をNICTにおいて開拓してきました。2011年には、脳情報通信融合研究センター(CiNet)を設立、初代センター長として、優秀な人材を世界中から集めて脳情報通信融合研究を推進する基盤を構築し、この研究を11年にわたって主導しました。「おもろい研究」をスローガンに掲げて研究員の能力を引き出し、脳情報解読、社会脳解析、運動脳解析、知覚情報処理などの分野で多くの先駆的業績を生みだしました。これらの独創的研究成果やリーダーシップは、恩賜賞・学士院賞受賞や文化功労者顕彰、学士院会員への選出で示されるように、国の内外から高く評価されています。現在も「ゆらぎ」を用いた脳内での情報処理の研究を精力的に続けています。
略歴
- 1988年-2010年
- 大阪大学大学院 教授
- 1998年-2003年
- ブレークスルー21結集型プロジェクトリーダー
- 2011年-2022年
- 脳情報通信融合研究センター長
- 2022年
- NICT Fellow 現在に至る
工学博士
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History
未来ICT研究所の沿革
1989
設立
1991
第一研究棟の完成
2001
Kansai Advanced Research Center(KARC)
2011-
未来ICT研究所
(神戸/小金井)
- 1989
- 設立(4研究室)
- 1991
- 第一研究棟の完成、関西における本格的研究活動の開始
- 1993
- 情報系3研究室、物性系3研究室・1特別研究室およびバイオ系3研究室となる
- 1994
- 第二研究棟などの竣工
- 1996
- クリーンルーム、APII棟の竣工
- 1998
- 第三研究棟の竣工
- 2000
- 情報系3研究室が、けいはんな情報通信融合研究センターへ移転する
- 2001.1
- 郵政省が総務省に再編
- 2001.3
- 第四研究棟の竣工
- 2001.4
- 独立行政法人 通信総合研究所 関西先端研究センターとなる
- 2004.4
- 独立行政法人 情報通信研究機構 関西先端研究センターとなる
- 2006.4
- 独立行政法人 情報通信研究機構 未来ICT研究センターとなる
- 2008.4
- 独立行政法人 情報通信研究機構 神戸研究所 未来ICT研究センターとなる
- 2011.4
- 独立行政法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所となる(神戸3研究室、小金井2研究室)
- 2013.4
- 脳情報通信研究室が脳情報通信融合研究センターへ移転(神戸2研究室、小金井2研究室となる)
- 2015.4
- 国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所となる
- 2015.4
- 国立研究開発法人 情報通信研究機構 未来ICT研究所となる
- 2021.4
- 脳情報通信研究室が脳情報通信融合研究センターを加え(3研究センター、11研究室)となる
Access
アクセス
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未来ICT研究所
(総合企画室、神戸フロンティア研究センター)
超伝導ICT研究室・ナノ機能集積ICT研究室・バイオICT研究室・神経網ICT研究室・深紫外光ICT研究室・量子ICT研究室(神戸)・超高周波ICT研究室(神戸)
- [ 所在地 ]
- 〒651-2492 兵庫県神戸市西区岩岡町岩岡588-2
TEL:(078)-969-2100(代) FAX:(078)-969-2200
- [ 神姫バス時刻表 ]
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未来ICT研究所
小金井フロンティア研究センター
企画室・量子ICT研究室・超高周波ICT研究室・グリーンICTデバイス研究室
- [ 所在地 ]
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〒184-8795 東京都小金井市貫井北町4-2-1
Tel:(042)-327-7429(代)
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未来ICT研究所
脳情報通信融合研究センター(CiNet)
企画室・脳情報通信融合研究室・脳機能解析研究室・脳情報工学研究室
- [ 所在地 ]
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〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-4
E-mail: info at cinet.jp
Contact
お問い合わせ
総合企画室
未来ICT研究所総合企画室は、当研究所における研究活動を支援します。研究所の総務・財務系の支援的業務を効率的に行うことに加え、研究者が円滑に研究を行えるよう、また研究が大きく進展するように、機構内の研究所をはじめ国内外の研究機関との産学連携、広報等成果展開、知財、共同研究の推進支援などの研究企画業務を担います。 研究所見学のご希望、研究連携や技術に関するご相談、人材交流等については、当企画室にお問い合わせください。
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