しかし、たとえストローのわずか直径6ミリの世界でも、インターネットは視覚障害のある人の生活を大きく変えました。IT革命という言葉は、まさに視覚障害のある人のための言葉であったといっても決して言い過ぎではないでしょう。
ホームページが使えなかった時代、視覚障害者の情報手段はラジオやテレビ、それに朗読テープや点字本などでした。
時々刻々変化するニュースは、ラジオなどでも入手できましたが、ラジオもテレビもその時間にそこにいて番組の都合に合わせて聞き耳を立てなければなりません。アナウンサーが自分の知りたい情報を話すかどうかもわかりません。
朗読テープや点字は自分の都合で利用できますが、誰かに録音してもらったり点字に変換してもらったりするのに時間がかかるので、読みたいものがすぐに手に入るとは限りません。また、最新情報を知るには不向きです。
視覚障害が情報障害のひとつと数えられていたのは、そんな理由からです。ストローよりもはるかに細い、針の穴からしか世界を眺められなかった。それがインターネット以前の視覚障害者の置かれた現状であったのです。
インターネットはそういう意味で視覚障害のある人の情報生活を大きく変えました。ニュースサイトに行けばいつでも最新のニュースが読めます。どんなホームページでも、ガイドラインにしたがって障害のある人に対応して作ってあるものならば、すぐに情報が手に入るのです。
先に述べた、10秒と150秒の差はまだまだ大きく感じます。しかし、かつて情報入手にかかった時間は“1時間”だとか“2週間”といったタイムスケールでした。たとえ150秒であっても、それは確かに画期的な革命であったのです。
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原本作成日: 2005年10月31日; 更新日: 2019年8月6日;